劇場公開日 1995年10月28日

「カーペンター監督が女性を描くというのは土台無理があった」光る眼 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0カーペンター監督が女性を描くというのは土台無理があった

2019年2月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

残念なリメイク
確かにほとんど完璧な出来映えのSFサスペンスの傑作であるオリジナル版では、彼らを産んだ母親たちの視点が少ないというのが唯一の弱点ではあった
だから、オリジナル版に女性の視点を加えるという監督の意欲は分かるのだが上面で終わった
カーペンター監督が女性を描くというのは土台無理があったのだ

オリジナル版を観ていることに寄りかかった構成にも感じられる
その割りにオリジナル版を中途半端にいじっただけでフラストレーションが起こる

オリジナル版にあるテンポよいサスペンスは本作にはない
カーペンター監督の本当の実力はこんなものではないはずだ
本領で勝負せず、苦手な分野で勝負しようとしている
真の実力は発揮できていないと言うしかない

海と赤レンガの壁の演出の混乱はどうしたものか
ディビットの独自の設定は何をやりたかったのか
生煮えなのだ

オリジナル版の土台に中途半端な女性視点という接ぎ木をしたのが本作の正体だ
しかし、本作には残念ながら接ぎ木で産まれた子供達の持つ光る眼のような力はない
死産で産まれホルマリン漬けになったあの異形の新生児そのものだ

あき240