「ノーラン監督が「ダークナイト」の参考にしたと聞くと、なるほど確かに一定の魅力はあるとは思えた」ヒート Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
ノーラン監督が「ダークナイト」の参考にしたと聞くと、なるほど確かに一定の魅力はあるとは思えた
マイケル・マン 監督による1995年製作(171分)アメリカ映画。
原題または英題:Heat、配給:日本ヘラルド映画、劇場公開日:1996年5月25日。
字幕版は見当たらず、残念ながら吹き替え版を視聴。アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの二代スター共演映画だが、それだけに2人の人物像が強烈で印象に残った。監督マイケル・マンによる脚本がいけてるということか。
家庭を顧みず、猟犬の様にひたすら犯人に迫っていくアル・パチーノ演ずる刑事には、自分は絶対に真似出来ないだけに、一種の憧憬と共感を覚えた。ゴッドファーザーの役柄の残像が生きてもいる。
ロバート・デ・ニーロは大成功してきている知能犯役が良く似合っていた。緻密な計画で大成功していたのに復讐に赴くところが、感情に突き動かされてしまっていて、何とも味わい深い。最後の最後に恋人エイミー・ブレネマンを置き去りにして逃げるシーンは、予告済みであったが、それなりのインパクトを感じた。彼女のショック表情が、忘れられない。彼女を本当に愛しているからこそ、犯罪に巻き込まない様にしということなのかな。
似たもの同士ながら、全く変わろうとしない人間と変わろうと努力してそれが果たせなかった人間を対比し、前者が結局生き残ってしまうのが、何とも皮肉でリアリティも感じた。
クリストファー・ノーラン監督が「ダークナイト」を作るにあたって本映画を参考にしたらしいが、映像だけでなくキャラクター設定にも類似性を感じた。
監督マイケル・マン、製作マイケル・マン、 アート・リンソン、製作総指揮アーノン・ミルチャン 、ピーター・ジャン・ブルージ、脚本マイケル・マン、撮影ダンテ・スピノッティ、美術ニール・スピサック、編集ドブ・ホウニグ、 パスクァーレ・ブバ、音楽エリオット・ゴールデンサル。
出演
アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、バル・キルマー、トム・サイズモア、ダイアン・ベノーラ、エイミー・ブレネマン、アシュレイ・ジャッド、ミケルティ・ウィリアムソン、ウェス・スチュディ、テッド・レビン、ジョン・ボイト。