「【“言っただろ、ムショへは戻らないと。”今作は全てを犠牲にして”仕事”を行う似たモノ同士の頭の切れる犯罪者と警部補を名優ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノが演じるクライムサスペンスの逸品である。】」ヒート NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【“言っただろ、ムショへは戻らないと。”今作は全てを犠牲にして”仕事”を行う似たモノ同士の頭の切れる犯罪者と警部補を名優ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノが演じるクライムサスペンスの逸品である。】
ー 1970年代から1990年代のアル・パチーノとロバート・デ・ニーロが好きである。アル・パチーノはどこか哀愁を帯びた眼と、ロバート・デ・ニーロは”デ・ニーロスマイル”と呼ばれる魅力ある笑顔が醸し出すオーラの凄さである。-
■今作のストーリーはシンプルだ。
ロス市警の凄腕警部補、ヴィンセント・ハナ(アル・パチーノ)と聡明なプロの犯罪者、ニール・マッコーリー(ロバート・デ・ニーロ)。
警察と犯罪者として出会った2人は、互いの能力を認め合い、やがて奇妙な共感を覚える。
だが、2人は、避けられない対決へと向かっていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・このシンプルなクライム映画が、W主役のアル・パチーノとロバート・デ・ニーロが出演するだけで、これだけ面白くなるのである。
・それは、ヴィンセント・ハナとニール・マッコーリーが立場は真逆だが、プロの”仕事”を遂行するためにプライベートを全て犠牲にして生きて居る所であろう。
・更に言えば、劇中一度だけ描かれる街中での激烈な銃撃戦や、ニール・マッコーリーが裏切り者を決して許さない姿や、ヴィンセント・ハナが2度離婚しながらも、3度目の結婚生活も犠牲にして”仕事”をするところであろう。
・だが、ヴィンセント・ハナは3回目の妻を精神的に参らせ、影響で娘のローレン(ナタリー・ポートマン)を自殺未遂で失い掛け、ニール・マッコーリーも書店員イーディ(エイミー・ブレネマン)と恋に落ちた事で、自らの生き方を苦悩しながらも少しづつ変えていく様が、巧く描かれている。
<ニール・マッコーリーが書店員だったイーディと高跳びをする寸前の、ヴィンセント・ハナとの一騎打ちシーンは見応えがある。
極端な事を書くが、この映画は”W主役のアル・パチーノとロバート・デ・ニーロ”の演技”を見るだけで満足出来る作品なのである。
マイケル・マン監督が1989年のTVムービー「メイド・イン・L.A.」をそのまま手を余り入れずに、映画にした理由はそこではないかと思ってしまうクライム映画の逸品である。>