「大島渚のデビュー作がこんなに凄かったとは…」愛と希望の街 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
大島渚のデビュー作がこんなに凄かったとは…
今年、久々に「戦メリ」を観たが、
振り返ってみれば大島渚の初期作品には
ほとんど接していなかった。
しかし、偶然にも近くの図書館に
「青春残酷物語」が置いてあり鑑賞。
その勢いでこの作品も含め
大島作品を4作品まとめてレンタル。
この作品は「青春…」の1年前のデビュー作の
ようだが、「愛と悲しみの街」とのタイトルが
本人の知らないうちに
「愛と希望…」に変えられたとの話は
商業映画のエピソードとして興味深い。
1時間強の短い作品だが、
社会格差の問題点を重層的に描いた見事な
脚本・演出に感じた。
そして、その重層的に織り込まれた
各ラストシーンの中のラスト、
既に鳩小屋は壊されていて、
鳩が撃ち殺されようが撃ち殺されまいが、
上流階級の兄妹は、
貧しい家族のよる鳩の帰巣本能を使った
詐欺犯罪がもう行われないことを知らない。
お互いを思い遣りながらも
両者の意識はすれ違う。
生活のための小さな犯罪をも生んでしまう
社会を正しいとは言えない。
高度成長期の一断面を描いたこの作品に、
あたかも現在の格差社会をも
彷彿させるようなイメージが湧いてきて、
今後の社会に不安を覚える。
この作品を観ただけでも
大島渚の非凡さを感じとることが出来た。
あと3作品が控えている大島作品に、
益々期待が高まるばかりとなった。
お返事ありがとうございました
とんでもないことです、コメント感謝いたします。
削除の憂き目は2回目です。
レビューの内容や表現に不満を感じられたどこかの閲覧者の方が、運営側にそれを通報すると、割りと筆者に断り無く簡単に消されてしまうようです。
今回も元の文章を保存していなかったものですから、私のレビューも復元は不可能となりました。それっきりで残念。口惜しいですね。
つまり「質問」は、これでした
↓↓
嘆きの天使のラストシーンはラート教授が夜の教室に戻って教卓に突っ伏すのですが、
それによく似た昔の洋画で、ラストで教卓に突っ伏した教師が悲嘆の極みで自らの手のひらにナイフを突き立てる映画
⇒この題名をご存じでしたら教えてくださいという質問でした。
嘆きの天使だとばかり思っていたもので。思い違いをただしたかったのです。
いかがでしょうか?
きりんさんへ
「嘆きの天使」への、きりんさんのレビューが見れないなんて大変残念です。
また、きりんさんの質問が何だったのか大変気になるところでです。
レビュー復活の際の改めましての御意見を楽しみにしております。
お返事ありがとうございました!
KENZOさんの鑑賞履歴を見て本作品を観てみたいなと思ったのです。
建築関係の映画もいくつもチェック候補にしてあります。建物を見て回るのが昔から大好きで、身内に構造計算をしている人間もおります。
またレビューの折には添削コメントをよろしくお願い致します。
先日は「AALTO」を観ました。
きりんさんへ
コメントありがとうございました。
いやぁ、驚きました。
大島渚のベスト作品と言えば、「戦メリ」や、それ以前の「日本の夜と霧」「絞死刑」「少年」「儀式」等なのかな、と思っていましたが、実質デビュー作のこの作品を観てビックリ。
テーマの深みとラストシーンの重層化に大変な驚きがあり、彼のベストワン作品?と悩まされるような鑑賞でした。
小学生時代、うちのクラスでも鳩が流行りました。
ふとそんな過去を思い出して探して観たのが
イギリス映画「鳩の翼」と本作品です。
世を見抜く大島渚の洞察力には圧倒されました。