「ロードムービーの到達点」パリ、テキサス かっちんさんの映画レビュー(感想・評価)
ロードムービーの到達点
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1984年カンヌパルムドール受賞作
ロードムービーの到達点と言えるべき作品
ヴィム・ヴェンダースは結末を考えずに撮り始めたらしいが、サムシェパードの脚本はそんな事を感じさせない
人格が壊れてしまった男が家族の再生を試みるが、自分はやはり破壌しているんだと再認識して去っていく結末が物哀しい
ロビー•ミュラーによるカメラワークが素晴らしく、モハーベ砂漠や田舎のバー、モーテル、ビルボードなどアメリカのロードサイドを美しく描きだしている
ヴェンダースやミュラーの様なヨーロッパ人でなければこれらを美の対象物として撮らなかったであろうと思う
ライ•クーダーのアコースティック•スライドギターも傑作で、ロビーミュラーの描く美しいシーンとマッチして素晴らしい雰囲気を醸し出している
自分も親になって見返してみると、昔は解らなかった主人公のトラヴィスの苦しみが解ったし、義兄の子供とはいえ、育てていたかわいい盛りのハンターと別れてしまったアンの心情を思うと悲しい
斉藤工と品川祐の映画紹介番組でも、このパリテキサスは別格の出来と称えていたが確かにそう思う
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