劇場公開日 2025年1月31日

「『大脱走』(1963)とは全く違うテイストの壮絶な脱獄映画」パピヨン(1973) Jettさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5『大脱走』(1963)とは全く違うテイストの壮絶な脱獄映画

2025年2月2日
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鑑賞方法:映画館

テアトルクラシックスのリバイバル上映企画で鑑賞

何度も観ているけど、正直ちょっとするとディテールを忘れ、次に観たときに毎回こんなんだったっけ、と感じる不思議な作品

無実の罪で投獄されたスティーブ・マックイーンさん演じる主人公パピヨンがただひたすら生きるために苦難に立ち向い、生き延びようと乗り越えていく実話の映画化

音楽もかからず淡々と静かなシーンが長く続いたり、不思議な民族達の世界で静養するくだりはほとんどセリフの無い状況が延々と続くなど、監督が『猿の惑星』(1969)のフランクリン・J・シャフナーさんのため、『猿の惑星』に似たテイストを感じました
しかも中盤からのパピヨンが『猿の惑星』のエイプの様な歩き方をしているのも面白かったです(笑)

大脱走のような派手な演出ではないためかなり眠気を誘うシーンが多く、退屈に感じるのも否めません

パピヨンが独房に入れられ長期間拘留されるくだりは途中で明かりまで遮断され、そんな中でゴキブリやムカデを食べて生きながらえていく(実際にやったら腹こわすじゃ済まないでしょうね)、など凄まじくえげつないシーンで観ていてかなりしんどかったです

そして、パピヨンのバディ的な存在となるドガを演じるダスティン・ホフマンさんの演技も素晴らしく、後半は物悲しかったのと、そのバックにかかる名匠ジェリー・ゴールドスミスさんのテーマ曲は1973年のアカデミー作曲賞にもノミネートされた超有名な曲
そんな名作の本作を劇場スクリーンで観られたのは初めてですが、とても貴重で有意義な体験ができました

Jett