劇場公開日 2025年1月31日

「期待度○鑑賞後の満足度○ いま観ると良くも悪くも70年代のハリウッド映画。D・リーンやF・ジンネマンならもっと詩情漂う作品になっただろうけどR・フライシャーだからこんなものかな。」パピヨン(1973) もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5期待度○鑑賞後の満足度○ いま観ると良くも悪くも70年代のハリウッド映画。D・リーンやF・ジンネマンならもっと詩情漂う作品になっただろうけどR・フライシャーだからこんなものかな。

2025年1月31日
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鑑賞方法:映画館

①初公開当時は怪獣映画以外はまだ“映画”にのめり込んでいなかったので未見。50年経ってからの初鑑賞。

ただ、当時の映画評論家さん達も余り褒めてなかったような記憶だけはある。
今回初めて観て‘なるほど’という感じ。

リチャード・フライシャーは職人監督だから『海底2万マイル』『ミクロの決死圏』『猿の惑星』といったSF映画なんかの娯楽映画を撮らせると面白い映画になるのだが、こういう大作や文芸ものは合わないんだと思う。
まあ、製作にも名を連ねているので自分で撮りたかったのでしょうね。

②スティーヴ・マックイーンの代表作と云われる作品は大概観ているが本作は初鑑賞。
前半は精悍な頃のマックイーンが見られてお得感満載。
ただ、年配になってからは若さが隠せなくてやや物足りない。そういう点から云えばポール・ニューマンの方が良かったかも知れない(『暴力脱獄』での好演もあるし)。
まあ、マックイーンにも、どうしても『大脱走』のイメージを重ねてしまうけど。

重厚なアクションを見せつつも軽みも漂よわせる”男”を演じさせたらピカ一のスターだったけれども(今に至るも似たようなスターは出てないね)、あんなに早く死んじゃうとは。
マックイーンの元気な姿を見られる意味で本作は映画史に残るかな。

③ダスティン・ホフマンは、ちょっと『真夜中のカーボーイ』の面影あり。

④脚本はダニエル・トランボ、撮影はフレッド・コーネカンブ、音楽はジェリー・ゴールドスミス(テーマミュージックのお陰で名作と見なされているのかしら)とスタッフは一流どころばかり。

もーさん