「風格と高揚感を備えた、伝記映画の傑作だ。」パットン大戦車軍団 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)
風格と高揚感を備えた、伝記映画の傑作だ。
本作以前に無かったわけでは無いが、実在の人物のある一時期、その人物の最も重要な時期に焦点を当てた作品だ。本作の商業的な成功は、伝記映画のスタイルの1つを、幅広く定着させたと思う。
欧米では知名度が高い人物で、劇中で前提の説明が殆ど無いので、鑑賞前にパットン将軍の生涯や人間関係、国際情勢など、背景知識を予習したほうが良いと思う。
なんと言っても、ジョージ・C・スコットの特筆すべき名演技が光る。また、フランシス・フォード・コッポラが脚本を執筆し、後にエドマンド・H・ノースが加わっている。無駄が全く無く、様々な出来事や人物像を、適切に表現している。
戦略的な軍事の天才であると同時に、不適切な言動を繰り返して物議を醸し、キャリアを遠回りしたが、輝かしい軍功を重ねた実在の人物を、実に堂々たる風格で、高揚感をもって描き切った、伝記映画の傑作だ。
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