「農協牛乳!あれ?バットダンスは?」バットマン 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
農協牛乳!あれ?バットダンスは?
1989年公開作品
過去数回鑑賞
今回はU-NEXT
配信では初鑑賞
監督は『ピーウィーの大冒険』『ビートルジュース』『シザーハンズ』『バットマン リターンズ』『マーズ・アタック!』
『スリーピー・ホロウ』『チャーリーとチョコレート工場』『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』『アリス・イン・ワンダーランド』『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』のティム・バートン
脚本は『ネバー・クライ・ウルフ』のサム・ハムと『ビートルジュース』のウォーレン・スカーレン
映画.comのレビュアーの中にはこの作品がバットマン初の劇場版だと勘違いしてる者が数名いるがもちろんそれは違う
1966年に公開されたテレビドラマの劇場版があるし戦中戦後にモノクロ作品が2作あるがそっちは視聴困難だ
この映画のタイトルは『バットマン』
オープニングクレジットは当然バットマン役のマイケル・キートンだろう
しかし実際はジョーカー役のジャック・ニコルソン
実質ジャック・ニコルソンが主役なのだ
もしバットマン役が主役ならジョーカー役の大物は最後に持ってくるのが日本では常識
たとえば昭和30年代東映オールスターキャスト時代劇で片岡千恵蔵が主演なら市川右太衛門は1番最後に持ってくる
ビートルジュースで快演を披露したマイケル・キートンだが打って変わって全くの別キャラのバットマン
クラッカーの如く戯けるジョーカーに対しブルース・ウェインのキャラが立っていない
根暗でキャッチーな台詞がない大富豪がヒーローなんて人気でないよ
バットマンのビジュアルだけではなんともならない
彼にはロビンという存在が必要
執事だけでは足りない
ジャック・ニコルソンは今回ジョーカーを演じたが本名はジャック・ネイピア
『シャイニング』での役名はジャック・トランス
バットマンもシャイニングもジャック
演じてるのもジャック
偶然か?
なかなかないよね
ブルースの父親は著名な医師
裕福な家庭で育った
しかし幼少の頃に目の前で両親を殺された
殺したのは若き日のジャック
通りすがりの強盗殺人だった
ラストシーンはかっこいい
今のようにそこそこ長めのエンドロールはこの年からか
でも今ほど長くはない
イライラしない程度
歌ってるのはプリンスかな
ちなみに本編でもエンドロールでもプリンスの代表曲ともいえる『バットダンス』は使用されていない
安田成美が歌った『風の谷のナウシカ』とは事情が違うが有名なわりに映画で使用されていないのは共通している
この作品を見ればわかる通りバットダンスは劇中のセリフが使用されている
ジャックの笑い声やキムの悲鳴もプリンスからすれば音楽になりうるわけだ
詳しい玄人によるとバットダンスはプリンスの作品の中で異例の代物でこののち彼はどんどん下降線を辿って行ったらしい
彼もまた精神を痛めてしまったか
配役
蝙蝠を連想させる黒いボディースーツに身を包み「バットマン」と名乗り悪者を退治するゴッサムシティーの大富豪のブルース・ウェインにマイケル・キートン
ゴッサムの裏社会を支配する犯罪組織の最高幹部だがバットマンとの戦いで負傷しその後の手術失敗で精神に異常をきたし「ジョーカー」と名乗るようになったジャック・ネイピアにジャック・ニコルソン
ノックスとコンビを組む新聞社のカメラマンのヴィッキー・ベールにキム・ベイシンガー
ヴィッキーとコンビを組む剽悍な新聞記者のアレクサンダー・ノックスにロバート・ウール
ウェイン家の執事のアルフレッド・ペニーワースにマイケル・ガフ
ゴッサム市警本部長のジェームズ・ゴードンにパット・ヒングル
検事のハービー・デントにビリー・ディー・ウィリアムズ
ゴッサムの市長にリー・ウォレス
犯罪組織のボスのカール・グリソムにジャック・パランス
グリソムの愛人だがジャックとも肉体関係があるアリシアにジェリー・ホール
ジャックの腹心のボブにトレイシー・ウォルター
犯罪組織と黒い交際を続けるゴッサム市警の汚職警官で警部補のエクハートにウィリアム・フットキンス