「【”モラルに縛られ、自分の人生を偽るな!命を粗末にするな!”自殺願望を持つ19歳の少年に、80歳のおばあちゃんが身をもって教えた生の大切さをコメディ要素を塗して描いた作品。】」ハロルドとモード 少年は虹を渡る NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”モラルに縛られ、自分の人生を偽るな!命を粗末にするな!”自殺願望を持つ19歳の少年に、80歳のおばあちゃんが身をもって教えた生の大切さをコメディ要素を塗して描いた作品。】
ー 冒頭から、死に憑りつかれた19歳の少年ハロルドは、たびたび狂言自殺ー首を括ったり、首を切ったりする振りをするーを繰り返しては両親を驚かせていた。
そんなある日、彼が出会ったのは自分と同じく見ず知らずの人の葬儀に出席する80歳のおばあちゃん、モード。
毎日を謳歌するモードの姿に心動かされたハロルドは、やがて彼女に惹かれて行くが…。
◆感想
・今作は、ジャンル分けで言えば、コメディになるのであろう。
モードの自由奔放過ぎる数々の行為。
他人の車を勝手に乗り回し、街中を暴走。果ては取り締まりに来た白バイまで勝手に乗っていってしまう。
・街路樹が、排気ガスで死に掛けている姿を見て、モードはその木を森に戻す。猛スピードの車に乗せて。
- ここは、重要なシーンであると思う。
自由奔放なモードの腕には、且つてナチスドイツの強制収容所に入れられた際の番号が刻印されているのである。一瞬、映るだけであるが・・。
それ故に”一度死んだモード”は、自由奔放に振舞いながら、自殺願望のあるハロルドに、”身を持って”生の大切さを伝えたのだろうと思う。-
<自殺願望を持ちながら、致死に至らない程度の行為で止めるハロルドは、真に死を求めているわけではない事が、彼の言葉から分かるシーンも印象的である。
- 実験の際に”一度死んだと思った”彼の母親が警官の腕に倒れ込んだ姿を見た際に彼が感じた事。彼は母親の愛に飢えていたが、自分が死んだと思った母が自分を大切に思っている事に初めて気づいたのである。-
死地を脱して、自由な人生を満喫したモードが、身を持って生の大切さをハロルドに伝えるシーンは印象的である。
今作は、コメディ要素を塗しながら、生の大切さを描いた作品である。>
レビュー 読ませて頂きながらどんどんこの映画のこと、思い出しています。
確かにハッとするシーンが要所要所に散りばめられていました。
若者たちにも観てもらいたいですねぇ!