ハノーバー・ストリート 哀愁の街かどのレビュー・感想・評価
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哀愁とは旦那のことだな。
この映画には戦争、不倫だけどラブストーリー、子供や夫婦仲の問題、男の友情が詰まっています。
これだけの内容を凝縮して素晴らしい音楽と共に2時間で色んなことを鑑賞側に伝えます。
たまたま街角で出会った女性とアメリカ軍人のパイロットが恋に落ちる。しかし女性は結婚していて、もちろんダメだと分かって居ながらよ情事を重ねてしまう。
しかし不倫なのだけど戦争中だからか、決して現代のような罪悪感情事ではなく常に死と隣り合わせだからか少し許せてしまう描写になっている。まぁお互い不倫と言えど本気だから?!
主演女優さんは美しく品があり、母と言えど女らしい色気のあるイギリス人女性で、また良い。
娘役の女の子も台詞など実に女の子らしい可愛さと、したたかさを兼ね備えた感じに描かれていて、それもまた本当に素晴らしい。
そしてハリソンフォードもカッコいいし実に素晴らしいのですが、旦那と言うか父親役が本当に胸を打つ好演でした。
極秘任務に向かう前に、妻に電話。
凡人の夫だと自分で言い、平凡な自分が情けないと、もっと逞しい男になりたかった。退屈な夫でしかない。なんて言う。
旦那は果たして妻の情事に気づいていたのだろうか。
そして突然、情報部員として極秘任務に就いてドイツへ乗り込む。
その際に、妻の不倫相手ハリソンフォードがパイロットとして極秘任務に参加、2人は突如出会ってしまう。
出会って2人はゲシュタポに乗り込むときに、夫の方はハリソンフォードに言う。
私の人生は、ごくありきたりだが平和な日々を送ってきた。
みんなが私を愛想の良い男だという。
気にもしなかったが今になってそれが私を苦しめ始めた。
どう見ても君は英雄の面構えだ。
君なら凍った湖で、溺れた少年を助けるだろう。
私は少年にコートを掛ける役だ。
私は役立たずだ。
なんて言う。
最後に敵に追われ負傷した時には、
今度も私は役に立たない脇役だよ。
なんて言うのです。
哀愁の街角という副題は、この旦那様の背中こそ、哀愁の漂う背中だと私は思いました。
まぁ最後のハリソンフォードの去り際も素敵ですが、君の瞳に迷ったけど自分を取り戻せた。なーんて言ってても、やはり今回は旦那様の勝ちかなぁ…
旦那様の名言で〆たいと思います。
勇敢な男は死を恐れ、愚かな男は恐れを知らない。
失うことを覚悟で戦うのが真に勇気があるものだ。
不倫の恋が切なく美しいのは映画の中だけ
戦乱の中で出会った男女の恋。
50年代を彷彿させる“THEメロドラマ”再び!…だったのかもしれないけど、ニューシネマを迎えた70年代には時代遅れだったようだ。
職人ピーター・ハイアムズならではのサスペンスやアクション要素を盛り込んでも…。
主演は、今となっちゃメロドラマ出演が珍しいハリソン・フォード。
そもそも二枚目なのでこういう作品への出演は意外でもないかもしれないが、やはり宇宙を股に駆ける賞金稼ぎや世界を股に駆ける冒険野郎が合う。
本作で描かれるのは、不倫の恋。
不倫の恋が切なく美しいのは映画の中だけ。
現実の世界じゃそう上手くいきませんよ、ベ○○ーさん、ゲ○○○みさん!
潜入任務の後では色褪せる愛の物語
総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
バス停での二人の出会い方がいい。爆撃があってもしかすると死んだのではないかと思ったり、危険な任務で明日をもしれぬ身だったり、今の出会いを大切にしようと思うのは理解も出来る。それでも相手のこともよく知らないままのこれだけの出会いで、深い愛を描かれてもどうにも信じられない。こんな一日だけの出会いをやたらと深い愛のように盛り上げようとする話って、どうにも軽薄に思えてしまうのだ。
これで不倫愛が燃え上がって、でも戦争のために悲劇に終わるのだろうかと思っていたら、話は全くとんでもない方向に走り始める。ところがそっちの話のほうが断然面白いのだ。敵地に乗り込みいつ正体がばれるかという緊張感がなかなかのもので、その場面は「荒鷲の要塞」を思い出させる。妻を奪われてただの人の良い被害者だった夫ポールが、ここでは一転して大活躍する。これは不倫愛の話なんかほうっておいて、こちらのほうに最初から集中していたほうが良かったのではないか。最後はすっきりとまとめたが、もうそんな色恋話はそのときにはすっかりと色褪せてしまっていた。結果的に物語がまとまりに欠けてしまっているのが残念。助けたのに納屋に火をつけられたフランスの農家が気の毒なのが最後に気になった。
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