花の影のレビュー・感想・評価
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チェン・カイコー失速
チェン・カイコー監督がレスリー・チャンとコン・リー主演で撮った1920年代の上海の金持ち名家を舞台とした恋愛映画。『さらば、わが愛 覇王別姫』のトリオということで期待して観に行ったんだが、これが完全な失敗作。全く面白くない凡作だった。
後に知ったんだが、もともとヒロイン役はチェン・ホン(陳紅)だったものの、彼女の演技がチェン・カイコーのお眼鏡にかなわず、チェン・カイコーは前作のヒロイン役だったコン・リーに代わっての出演を依頼したらしい。チェン・ホンはこの映画の公開後にチェン・カイコーと結婚するんだが、チェン・カイコーが公私混同せず冷徹に女優としての資質を判断したことは評価できる。ただコン・リーも今ひとつ役に合ってなかったような……。ウブで純粋で清らかな乙女は彼女向きの役柄ではなかったように思う。さらにレスリー・チャンにいたっては全く印象に残ってない。残念ながらチェン・カイコーはその後も凡作を連発し、チャン・イーモウに水を開けられる一方となっていく。
なお若い頃のジョウ・シュンが端役で出てたらしいが、当然ながらこれも全く記憶にない。
阿片の煙みたいにほわほわふわふわ
良かった箇所は二カ所。待ちに待ったレスリー・チャン、背中から(相変わらず肩幅しっかり!)映って振り返る上海のクラブのシーン。それからずっと後、遠戚養子の男にお嬢様(コン・リー)がビンタする箇所。役柄として彼女はこの気の強さを大人になってからも花開かせて欲しかった。
レスリー・チャンの苦しみがあんまり見えてこなくて、姉を憎みながら姉を慕って姉似の「客」に愛を感じたならもっと説得力欲しかった。コン・リーがレスリー・チャンを追いかける動機も運命も感じなかった。子ども時代の二人をもう少し丁寧に描いて欲しかった。最後になって言葉と記念写真みたいな映像で説明されてもなあ。世間知らずのお嬢さんは怖いもの知らずで強いが、フライヤーの惹句通りにこの映画を「嵐が丘」に結びつけることは私はできなかった。
スタッフキャストで舞い上がりすぎた
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