「シャフナー監督がもう少し長生きされていたら…」ニコライとアレクサンドラ KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
シャフナー監督がもう少し長生きされていたら…
NHKのBS放送を録画して鑑賞。
フランクリン・J・シャフナー監督は、
3時間超えの長尺で、
ロシア革命の背景も分かり易く、
帝政最後の皇帝一家の悲劇を詳細に
描いてくれた。
当時の大きな時代のうねりを考えると
皇帝がどんなに善政を行ったとしても、
逆らいきれなかった運命だったのでは
なかったかと想像する。
皇帝一家だけに留まらず、国民の多大な犠牲
の上に築かれた社会主義国家だったが、
民主主義社会からは程遠く、
国民に幸福はもたらすことの無かった
ソビエト連邦が、たった70数年後に
ゴルバチョフ大統領の登場によって
民主化が進み、共産主義の呪縛から解放
されたのは記憶に新しいところだ。
ソビエト連邦の崩壊の予兆など無い時代に
この作品を作り、ソビエト連邦崩壊の2年前、
そしてベルリンの壁崩壊の年に亡くなった
シャフナー監督が、
もし生前にそのことを目にしていたら、
ニコライ皇帝一家の悲劇に
改めてどんな感慨を抱いただろうか。
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