「タクシーの思い出、 いくつもいくつも思い出されてきました・・」ナイト・オン・ザ・プラネット きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
タクシーの思い出、 いくつもいくつも思い出されてきました・・
Tom Waitsのしわがれた歌がタイトルバックに流れて、夜通し働いたタクシー運転手たちの 泥のように疲れた体をいたわってくれているようだ。
思い出せばいろんなタクシーに乗ったな。
誰にとはなしにポツリポツリ喋る運転手さんもいるし、喋りたくないオーラの運転手もいる。乗せてもらうこちらも同じくその時その時だ。
・お金ないとき、メーターを早めに倒してくれた運転手さん。感涙。
・ぶちキレられて急ブレーキを踏まれたこともあるし、
・お互い初めての街で一緒にカーナビを見ながら超遠回り。歩いたほうが早かった。
済まなさそうに「お金もらえません」と 東北から山梨に昨日来たばかりの運転手さんだった。なに言ってんですか不安なのは僕も一緒。握手して別れた。HAGしたかった。
「タクシーの車内」という狭い空間を、そのいっとき たまたま共有する。あすこは一期一会の地球(プラネット)の縮図なのだ。
日本の深夜労働者は600万人だと聞いたことがある。
Tom Waitsのドラムビートは労働歌。日本でならヨイトマケの唄か岡林信康の山谷ブルースが流れそうなエンディングってところだろうか。
「深夜食堂」冒頭の新宿の大ガードのシーンが大好きな僕。タクシーがたくさん映ります。
・・若者の軽快なタクシー乗車なら宇多田ヒカルの「トラベリング」なのでしょうが、やっぱり白眉は吉田拓郎が由紀さおりに歌わせた「ルームライト」です。
これ以上の夜のタクシーの唄はありませんね。
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《おまけ、付記》
人間をお客として乗せるわけではないが、夜通し走るトラック運転手の僕としては、本作品は言葉不要のシンパシー、=仲間意識に満たされる5つのオムニバスであった。
12月24日、クリスマスイブにも、当然 夕方から朝までのお仕事な訳で。
10トントラック一杯の荷物を積み下ろししながら、僕は同僚たちと笑ったものだ
・ケーキ食べたいね
・サンタさんってさ、深夜労働者なんだよなー
・奥さん今夜もお家でひとりぼっちなんだね
・辛いけど頑張ってるよな年寄りなのにね
・俺たちとおんなじ運送業やろ?サンタさんって仲間だし、なんかさぁ“友だち”って感じするよなァ
タクシーの運転手さんたち、
どうぞ心も体も壊さないで下さいね、
ご安全に。
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ジョニーデブさんこんばんは🌙
コメントありがとうございました。
まったく、海外で乗るタクシーは冒険ですね。
言葉も文化も違う相手に自分の命を預けるという大博打(笑)
僕はイタリアでポンペイの遺跡から駅までポンコツのベンツのタクシーに乗車。
「英語が使えるのは俺だけだよ」と客待ちのたくさんの運ちゃんの中からその一人が立候補してくれました。
あとのドライバーたちの指をくわえて見ている様子たるや。
日本では客商売という事なのか印象を良くするためか、スーツにネクタイ、中には白い手袋もはめたりしているが、個人的にはウィノナ・ライダーみたいな運転手がいても良いと思う。
今晩は
きりんさん。日本の物流を担われているのですね。製造業で働く者としては頭が上がりません・・。
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ダウン・バイ・ロー」・・。私は今作も含め、どの作品も好きです。上記2作は、学生時代、”お洒落な映画・・”と言う感じでしたが・・。私は嵌りましたね。
ジョン・ルーリー、元気なのかなあ・・。
一昨年、ジム・ジャームッシュの「デッド・ドント・ダイ」を鑑賞した際に、エスター・バリントを観た際には、最初気付かず、時の流れを感じました・・。
タクシーは、30代に良く乗りました・・。大体が酔っ払って、降りるべき駅を過ぎて、帰宅に使うパターンでした。どの運転手さんも、慣れない道を走るので、緊張されていたなあ・・。申し訳ない限り。途中、コンビニで止めていただき、珈琲を2缶買って、一緒に飲みながら深夜、我が家に帰ったモノです・・。
では、又。
きりんさん、コメントありがとうございます。
YouTubeで「ルームライト」聴きました!
今じゃLEDのルームライトが流行っているので、ぼんやり見えるということはないかもしれませんw
実はこの映画を見たときはまだドライバーになっていませんでした。
逆にタクドラ始めてから見たタクシー映画はリアルと比較してしまって、もっと批判的になってたかもです。
「パリ編」、
劇中コートジボワールからの出稼ぎクンは、盲目の女の異様に釘付けです。
彼女はベアトリス・ダル。あの「ベティー・ブルー」の女優さん!つまりあれ、演技なんですよ、白コンタクトを入れたのか、とにかく凄くって。
おろしたあと車ぶつけちゃうのも無理ないか。(笑)