劇場公開日 1987年6月

「【”Vision of Death"今作は、自動車事故により5年間昏睡状態だった男が、目覚めた時に身に備わっていた能力を使い、身を呈して人々の不幸を防ごうとする姿が沁みるヒューマンサスペンスである。】」デッドゾーン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【”Vision of Death"今作は、自動車事故により5年間昏睡状態だった男が、目覚めた時に身に備わっていた能力を使い、身を呈して人々の不幸を防ごうとする姿が沁みるヒューマンサスペンスである。】

2025年10月15日
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鑑賞方法:VOD

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■高校の教師・ジョニー・スミス(ムッチャ、若きクリストファー・ウォーケン)は、恋人・サラ(ブルック・アダムス)とのデートの帰り道、車を運転中に横転したトレーラーと衝突し昏睡状態に陥る。
 5年後、眠りから目覚めたジョニーは、過去や未来を見ることができる特殊な能力が備わっていることに気づく。

◆感想<Caution!内容に触れています>

・ご存じの通り、今作はスティーヴン・キングの小説「デッド・ゾーン」を可なり忠実に映画化している。

・この作品が切なくも沁みるのは、ジョニー・スミスが昏睡状態にあった5年の間に恋人のサラは結婚し、子供もいるのに彼は、足が不自由な生活をしつつも、凶悪殺人事件の犯人を、手を握っただけで彼が過去に起こした行為を当て、銃弾を浴びつつも犯人を捕らえる様や、家庭教師になった少年が所属するアイスホッケーチームが、池に張った氷が割れ水中に落ちる様を言い当て、少年の父に首になりながらも、少年の命を助けるために”ホッケーに行くな!”と言う彼の誠実さであろう。

■上院議員候補の、誠実を装うグレッグ・スティルソン(マーティン・シーン)が実は野心溢れる男で、大統領になった際に、歴史に名を残すために敵国に核爆弾を打ち込む指示を予知した彼が、身を呈して行った事は、哀しいが崇高である。
 彼はその前に主治医に対し”ヒトラーが産まれる前に、あの時代に行ったら・・。”と喋るシーンがあるが、彼は自らに備わった能力を、人間の幸の為に使ったのである。

<ラストシーンは哀しいが、ジョニー・スミスがグレッグ・スティルソンが表紙に乗った雑誌のタイトルが”彼は終わりだ。”と書かれ、更に彼がピストル自殺をする姿を予知夢で観て、且つての恋人サラに対し”これで、良いんだ。”と告げるシーンは沁みるのである。
 今作は、自動車事故により5年間昏睡状態だった男が目覚めた時に身に備わっていた能力を身を呈して不幸を防ぐヒューマンサスペンスなのである。>

NOBU
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