ディア・ハンターのレビュー・感想・評価
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初鑑賞
ようやく見ることが出来ました。3時間ごえの超大作だから途中で眠くなったらどうしようと思っていたが、そうならず最後まで集中して見れた。
パートが完全に三つに分かれていたのがよかったです。戦地に行く前、戦地での死闘、戦地からの帰還。順番通りだからよかった。
4K映像できれいでした。
役者達はエネルギーにあふれていて、皆素晴らしい演技でした。
監督の代表作であり、オスカーも取ったけど、次の作品が世紀の問題作で失墜し、その後の作品は個人的には好きなのですが、認知度は今一つ。
ロシアンルーレットのシーンは良く話題になっていたから知っていたけど、映画で見ると恐怖感が半端なかったです。
変わらないもの、変わってしまったもの
最高の映画、最高のトラウマ…再び
4Kリバイバル放映を見ました。
是非映画館で見たくて。ビデオで見ると早回ししたくなるので…
この映画は知らなかった戦争の狂気を教えてくれる。
出兵前とは何もかも人生すら大きく変わってしまった事を教えてくれる。
まずこの映画を初めて見たのはTV放送。もう30年は昔の話。
テーマ曲のカヴァティーナの悲しくも優しげな旋律が好きでした。映画より音楽からディアハンターを知りました。
TBSラジオ大沢悠里のゆうゆうワイドの女のリポートコーナーのBGMとして使われていて素敵な曲だと強く意識しました。
そして何の予備知識も何も無くいきなり映画を見ました…虎と馬が駆けっこしてました…orz
最高に凄い映画なのに最高のトラウマを植え付けられた。
なので今ここで見直さないと行けない思いに駆られ放映を待っていました。トラウマを克服する為では無くもう一回植え付ける為に。
改めて見直して色々な事が分かりました。
結婚式の教会のネギ坊主を見てロシア正教、
披露宴兼出兵への壮行会でロシア民謡やコサックダンス、製鉄所のあるこの街はロシア移民が多い土地なのだと。
そして出兵前のランチキパーティや結婚式、
披露宴のどんちゃん騒ぎなどすっかり忘れていました。それは今回見ても記憶から消えつつあります。それだけ戦争での体験内容がトラウマになりました。そんな事もあったっけな?位です。
前半あんなに時間を掛けて友人達の楽しい遊びやシカ狩り結婚式などの楽しい思い出が最早思い出せない位に遠い過去の物となってしまいます。
出兵直前の時はシカを仕留めましたが戻ってからのシカ狩りではあえて外して見逃す。これでいいんだよな、の意味が重くて…このシーンは昔から覚えています。
沈着冷静なマイクはベトナム戦争でも友人達を助け武勲も上げますが心に何とも言えない傷を負います。それでもなんとか心と身体を取り返します。そして親友ニックの恋人に心を寄せている。ニックは心を病んだまま恋人への思いと友人スティーブンの婚約者と寝て彼女を妊娠させてしまった負目から帰国を拒みサイゴンで自ら狂気に走って賭けロシアンルーレットで儲けた金を戦争で四肢を失ったスティーブンに送金しつづけた。
出兵前に生きて故郷に帰りたい、何があっても連れ帰ってくれと言うニックの思いを遂げようと再びサイゴンに探しに行くマイク。そこで見つけたニックは薬にも手を出して完全におかしくなっており自分の事も友人の事も故郷の事もほぼ忘れてしまっていた。そしてマイクが止めるのも聞かずロシアンルーレットで…
最後ニックの葬式の後いつもの飲み屋で友人が集まって朝食。彼の冥福を祈りながら終わる。
そしてカヴァティーナなが静かに流れて…
ここで涙腺が決壊した…
素晴らしい映画、素晴らしい曲、素晴らしいトラウマを残して終わった。
これが戦争の狂気だろう。いや戦争の日常かも知れない。しかも正義の無い戦争だった。
何が正義なのかは難しいが。
ベトナム戦争時代はまだ幼子だった。戦争をやっている事しか分からなかった。アメリカ人でも無かった自分には何のことか分からなかった。
勝ったのかも負けたのかも。
ようやく劇場にて
アメリカの余裕
午前十時の映画祭12にて。
ベトナム戦争中の60年代末、ペンシルバニアの製鉄所で働くマイケル、ニック、スティーブンたちは徴兵され、ベトナムへ送られた。ベトナムで捕虜となったが、マイケルは負傷したスティーブンを連れなんとか脱出したが、ニックは行方不明になった。本国に戻ったあとスティーブンは車椅子生活となったことを知り、大金がベトナムから送られて来ていたため、ニックが生きていると確信したマイケルは再びベトナムへ向かった。マイケルは彼を連れ帰る事が出来るか、という話。
マイケルの捕虜からの脱出シーンはあまりにベトナム兵がお粗末すぎた。現実にはあんなドジなベトナム兵なんてあり得んでしょう。
ロシアンルーレットのような賭博って実際にやってたのかな?そうだとしたら怖い。ニックは記憶喪失になってたのだろうか?
名作らしいが、何が良いのかわからなかった。
アメリカって、戦場に行くのにあんなに呑気に行けたんだな、って羨ましく感じた。第二次世界大戦中の日本だと悲惨な気持ちで赤紙受け取って戦争に行ってたのとはえらい違いだ。
それだけアメリカは余裕が有ったのだろうと改めて国力の差を思い知らされた。
素晴らしかった
今では撮れない作品だろうな
午前十時の映画祭12にて。 公開当時から何度も観ている大好きな映画...
極限下の友情
戦争での極限状態の精神から戻ってこれなくなった友人を連れ戻すために、主人公自身も文字通り命を賭して再び極限状態に飛び込み、どうにか心を通わせようとする、、悲しく美しいクライマックス。
ベトナム入りするまでのパートが長くて若干辛かったし、その後もどこに話が向かうのか良くも悪くも読めなかったけど、最後まで見終わってみると、全体がちゃんと繋がってて、削れる部分はあまりない気もする。
なお、ベトナム戦争下ではあんな感じにロシアンルーレットが行われてたのかーと思いきや、ネット情報だとその辺は捏造という説もあり。危うく鵜呑みにするところでした。
ベトナム戦争の陰
戦争の残酷さと戦争後遺症の苦しみを真摯に偽りなく捉えたマイケル・チミノの力作
ついに鑑賞
美しく切ないテーマ曲のカヴァティーナ、恐ろしいロシアンルーレット、名作と聞いていたが、一体どんな物語なのか、長年気にはなっていたが、ついに鑑賞。・・・しかしながら、よくよく考えると、戦争の狂気というより、ベトナムの地下賭博の狂気。マイケルがホーチミンで遂にニックを見つけた時、なぜ有り金はたいてロシアンルーレットするのか全く理解できない。友を力ずくで連れ帰ればよいものを、目の前で自死させてしまった。これを納得する人がいるだろうか。戦争とは直接関係ない気がする。
ベトナム物はたくさん観ているし嫌いな映画ではないんだけど、ベトナム...
あの頃の良い映画
タイトルの意味はなんだろう?
この映画あたりから、戦争映画と言えばベトナム戦争が主流になってきたと思う。もちろんそれまでは第二次世界大戦の映画が中心だった。1960年代後半に、タカ派映画にグリーン・ベレーはあったが。
アメリカ本土で友達と楽しい時間を過ごした前半と、ベトナムでの壮絶な捕虜生活とその後の中盤からの対比がすごい。
ロシアンルーレットの緊迫感と銃声が、映画を見終わった後でも頭の中で響き、しばらくはトラウマとなってしまった。戦闘中に敵の弾に当たって死ぬよりも、このロシアンルーレットで死ぬ方がはるかに衝撃的だったのである。この銃声の大きな音は見ている私にとってかなり心臓にこたえた。
あと、音楽の使い方がいい。ジョン・ウィリアムスが弾くテーマ音楽のギターと、ベトナムに行く前にみんなで歌った「君の瞳に恋してる」、最後にしんみりと歌った「ガッド・ブレス・アメリカ」が印象に残った。
でも、なぜタイトルがディア・ハンターなのだろう。主人公の趣味が鹿狩りというだけでつけたのであろうか?アメリカ人にとっては何か深い意味があるのだろうか?
まったく名作ではない。
【”人生がこうも変わるとは・・”ヴェトナム戦争に人生を翻弄された若者たちの姿を、狂気性横溢するシーンを絡ませながら、哀調溢れたトーンで描いた作品。生死を賭けた友情が心に沁みる作品でもある。】
ー アメリカの田舎町の製鉄所で働く、マイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーヴン(ジョン・サヴェージ)、スタン(ジョン・カザール)らは、平日は溶鉱炉の熱も厳しい職場で働くが、休日は皆で”鹿狩り”に山岳地帯に足を運ぶ、”仲間”である。ー
◆序盤
ー スティーヴンとアンジェラの結婚式が”君の瞳に恋している”が華やかに流れる中、延々と続く。 お祝いする、マイケルを始めとしたスティーヴンの友人達。そこには、ニックの美しい恋人リンダ(メリル・ストリープ)もいる。ー
◇初見時は、この結婚式のシーンが、長く感じた。(というか、殆ど覚えていない)
ここまで、長くなくても良いんじゃない?とさえ思った。
が、2度、3度と観るうちに、マイケル・チミノ監督が、このシーンで様々な事を暗示していた 事が分かる。
・ヴェトナム出征を控えた、マイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーヴン(ジョン・サヴェージ)は、ヴェトナム戦争の悲惨さも知らずに、酒に酔いしれている。
だが、カウンターでは、グリーン・ベレーの男が独り酒を呑んでいる。挨拶するも、帰ってきた言葉は”糞くらえ!”である。
・スティーヴンとアンジェラのワイングラスに、赤ワインが注がれるが、酔ったスティーヴンは、数滴、真っ白なスーツにこぼしてしまう。真っ白なスーツに赤いワインが沁みの様についてしまう・・。
・マイケルは、酔った勢いで、ニックの美しい恋人リンダを誘う・・、が・・。
・一方、ニックはマイケルに”何かあったら、俺を必ずこの地に戻してくれ・・”と真面目な顔で頼む。
ー この数シーンだけでも、この後のヴェトナムでの、彼らの運命が暗喩されている事が分かる。ー
◇翌日、マイケル達は、鹿狩りに出掛け、マイケルは見事な大鹿を仕留める。
◆中盤
ー いきなりの、ヴェトナム戦争真っ只中から物語は始まる。
ヴェトナム農民の家は焼かれ、塹壕は焼かれ・・。
そして、マイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーヴン(ジョン・サヴェージ)はベトコンの捕虜となり、ロシアンルーレットを強要されている。ー
◇ディア・ハンターと言えば”ロシアンルーレット”と言うくらいの、緊張感と狂気が尋常でないシーン。
六発の弾倉に一発だけ弾丸を入れ、腕で弾倉を回し銃を卓上で片手で廻すベトコンの兵。捕らわれた三人は、”ロシアンルーレットをさせられる。”ベトコン達は、”どちらが死ぬか”に賭けている。
・このシーンでの、ロバート・デ・ニーロ演じるマイケルの尋常でない精神力と判断力。水牢に入れられたスティーヴンの疲弊した状態を見て、”弾倉に三発入れろ!”とベトコンに言い、銃口を頭に向け引き金を引く。
ニックは、引き金を引くが銃は頭をそれ、マイケルは三発の弾丸で、ベトコンを殺し、ニックとスティーヴンを助け、流木に掴まって川を下っていく・・、が離れ離れに・・。
ー ニックが、余りに過酷な経験をした事で逃亡後、神経を遣られている事が分かる、ニックのロシアンルーレット賭博のシーン。ー
◆後半
ー 二年後、マイケルのみ、街に戻り、英雄視されるが、浮かない顔。
リンダ(メリル・ストリープ)とも再会し、従軍しなかった、スタン(ジョン・カザール)らと、久しぶりに鹿狩りに。ー
◇マイケルは、大鹿を仕留められる距離まで近づくが、”敢えて”的を外し、大空に向かって大声で”OK?!(字幕では、”これでいいか!”)と叫ぶ。
ここは、大変、重要なシーンである。
マイケルは、”敢えて”大鹿を仕留めなかった事で、未だ帰還していない、スティーヴン(ジョン・サヴェージ)とニック(クリストファー・ウォーケン)を”ロシア正教の主”に、故郷に彼らを返してくれ!と言っていると、私は解釈した。
・そして、マイケルは、両足と左足を失いながらも、車椅子で生きていたスティーヴンと、再会し、喜び合う。 ーあんなに、幸せそうだった、アンジェラは、ショックの余り、会いに来ない・・。ー
そこで、スティーヴンがマイケルに言った”毎月、サイゴンから金が、送られてくるんだ・・。”
”ニックだ・・”
・再び、混乱を極めるサイゴンに飛ぶマイケル。且つての、賭博屋に金を渡し、漸く会えたニック。
だが、精神に異常を来している且つてのベトコンが撒いていた赤い鉢巻きを頭に巻いたニックは、マイケルが分からない・・。
マイケルは、大金を積み、ニックの記憶を取り戻すために、命を懸けたロシアンルーレット
卓に付く・・。”愛してる”とニックに告げ、引き金を引くマイケル。
そして、ニックは”何かを思い出したかのように””一発だ・・”と口にし・・。
ー 二度目の鑑賞時から、このシーンは、涙腺が・・。ー
<ラスト、ニックの棺が、ロシア正教会から運び出され、ニックの友人たちが再び集まり、(そこには、スティーヴンとアンジェラもいる・・)、皆で”God Bless America”を歌いながら、”ニックに・・”と声を揃え、グラスを上げるシーンで、画面は静止画に。
見事な物語構成と、ラストシーンである。
哀感溢れるメインテーマも、素晴らしき作品である。>
<大昔、TV吹き替え版で鑑賞 あの恐ろしきベトコンに強要されたロシアンルーレットのシーンのみ記憶にあり>
<2019年3月 4Kデジタル修復版 伏見ミリオン座で鑑賞 鑑賞記録なし
フライヤーにコメントのみ、殴り書き>
<2021年6月15日 別媒体にて再度鑑賞>
Dear でなくDeer
個人の感性は違うのだから全員一致なんて有り得ないし、どんな意見もあって当たり前
ただ、少なくともこの映画を見た人は、日本が将来どんな状況になっても、今と変わらず、戦争反対を声高に意見する人であり続ける事を祈るばかりです
大人になって分かる映画
昔この映画は土曜日のTV、ゴールデン洋画劇場でよく放送されていた。当時子供だった私にはあまりに長く凡長で、途中で何度も挫折し結局内容は途切れ途切れ。良かったのか悪かったのか曖昧なままオッサンになってしまった。
久しぶりにAmazon primeにて観賞し、この映画の凄さにようやく触れることが出来た。
前半の長い結婚式のシーンも、ベトナム戦争以降の苦悩のシーンも全てが必要不可欠でひとつも無駄がないのが分かった。
ラストで皆が歌を唄い、ニックに乾杯するシーンで画面は止まりエンディングへ以降した所は絶妙で、それまでの全てが頭をよぎり涙が溢れました。
何より凄いのは俳優達がそれぞれの役柄になりきっていて、物語を紡いでいることだろう。それは監督とカメラマンやスタッフの素晴らしい仕事あってのことだが、デ・ニーロではなくマイケル、ウォーケンではなくニック、ストリープではなくリンダ、他の脇役達も皆役柄そのもので実在しているかのよう。
やっとこの映画が分かるようになって、年取るのも満更悪くないよね。
しかしベトナムでもイラクなど中東でも、アメリカは一部の人間の為に軍事需要で儲けるために自国民(若者)を犠牲にするのはこれからも続くのだろうか。そして若者は戦争に行くのだろうか。
命を落とし、傷つき、心を病み、本人も家族も苦しんでも、それでもなお戦争をするのだろうか。
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