「映画作りの教本だが完成された犯罪映画」天国と地獄 Kenkuさんの映画レビュー(感想・評価)
映画作りの教本だが完成された犯罪映画
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リバイバル上映で二十代の時に見た映画で、その後私の黒澤映画Top1から落ちる事なし。晩年の数作と戦前の初期二作品以外は全て見ています。娯楽性と映画芸術の融合した作品である事がTopの理由。
全体の構造(製靴会社の重役と苦学生)、ストーリー前半と後半の舞台転換。カメラワーク、人物の配置の意図。捜査に関する様々な描写。犯罪捜査についてはその後の映画やドラマの構成に影響を与えたそうです。
勉強になる所が満載で、見なければならないポイントは何十何百とあります。
ゾクゾク1 権藤邸でみんなで這いつくばるシーン
ゾクゾク2現金の受け渡しシーン
ゾクゾク3権藤邸を見上げるドブ川近くでの捜査員と犯人
ゾクゾク4多国籍なカオスな飲食店での薬の受け渡し
ゾクゾク5麻薬常習女に狙いを定めてサングラスきらり
ゾクゾク6共犯の家に入る犯人の頭がニョキ。
いくつかのシーンはスピルバーグやコッポラに影響を与えましたね。
あ、権藤邸での子供二人の遊びのシーンを忘れた。その後の転換を先取りしたシーンです。
オシャレなシーンが沢山あるのです。映画の宝物館です。
若き山崎努さんの存在感が印象的ですが脇役の使い方が贅沢ですよ。黒澤監督の頂点の時期の作品です。
なんちゅう撮り方、なんちゅうアイディアの連続。
三船さんの存在感は当然素晴らしいです。重役役がセクシー。
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