「衝撃のラストに頭抱えた」天国と地獄 吹雪まんじゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
衝撃のラストに頭抱えた
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黒澤明監督の名作をついに鑑賞。圧倒的な緊張感と重厚なドラマに、ただただ引き込まれました。作品はサスペンスと社会的テーマが見事に融合し、見る者に強烈な印象を与えます。
前半は権藤氏の葛藤と決断を描いた密室劇、後半は犯人を追う捜査劇に分かれていますが、どちらのパートも心理描写や人物設定が非常に練り込まれており、重厚な群像劇として見応えがあります。
後半の捜査パートでは刑事たちが犯人の手がかりを追う様子がリアルに描かれ、次の展開が気になって仕方がありません。細部まで計算された捜査の考察や緊張感のある追跡劇は、まさに手に汗握る展開です。
そして、衝撃のラスト!犯人が語る「産まれた時から地獄だった」という言葉。彼の叫びには一体どんな思いが込められていたのでしょうか?権藤氏はその言葉を聞いて何を思ったのか?しかし、最後に映るのは権藤氏の無言の背中のみ。彼の表情は映し出されません。このシーンは観客に多くの問いを投げかけ、深い余韻を残します。非常にショッキングで、忘れがたいクライマックスでした。
単なるサスペンス映画にとどまらない、格差や社会の不平等といった普遍的なテーマを内包した作品。犯人の人生、権藤氏の葛藤、そして「天国」と「地獄」とは…。倫理的な問いと社会的な問いを投げかける本作。現代においてもその衝撃は色褪せません。
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