「警察と犯人の人物像が希薄」天国と地獄 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
警察と犯人の人物像が希薄
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総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )
子供を誘拐をされそうになった三船敏郎演じる権藤の存在感が大きかった。犯人逮捕のために可能性を探ったり潰したりして地道に捜査をする警察も良かった。
しかし犯罪者と警察の人物像に焦点が当たっていなくて、どんな経緯があってどんな犯罪者が生まれたのかが伝わってこない。人も羨む医者の卵という出世街道まっしぐらの犯人が、何故そこまで劣等感に苛まれ、身代金の獲得だけでなく平気で人殺しまでするようになったのか。いくら夏暑く冬寒い安下宿に住んでいるといえど、もうじき金持ちになれるではないか。最後の言葉による告白だけだと納得できなかった。
また警察も犯人を追跡するための捜査についてはしっかりとした描写があって面白かったが、どんな人が捜査をしたのかの描写が少ない。だから警察の登場人物はただの捜査をする人に過ぎず、魅力的な人物像になっていなかった。結局権藤だけが目立っていた。
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