劇場公開日 2024年2月16日

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「悲劇の結末ではあるのに、主役の二人がとても爽やかに見えてしまう稀有な体験を再び…」テルマ&ルイーズ KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 悲劇の結末ではあるのに、主役の二人がとても爽やかに見えてしまう稀有な体験を再び…

2025年10月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「ブレード・ランナー」「エイリアン」の
リドリー・スコット監督作品の中でも好きな
映画だったので、TV放映を機に再鑑賞。
しかし、細部の忘却シーンも数々あり、
たいへん嬉しい感動の鑑賞となった。

この作品、上映年のキネマ旬報においては、
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」
「羊たちの沈黙」
「ミラーズ・クロッシング」
に次いで、第4位に選出されている。

単なる週末の息抜き旅行のはずが、
成行上、テルマが問題の原因を作り、
ルイーズがそれを収めながらも、
犯罪人として追い詰められていく二人
なのだが、次第に彼女らにシンパシーを
覚えていくという不思議な感情が。

彼女らが追い込まれる原因を
作っているのは全て男性なので、
同性の私にも
後ろめたい気持ちが湧き上がる中、
そんな設定にしたら、この物語そのものが
成り立たないと分かっていながらも、
バーの駐車場でルイーズが
銃で殺すのではなく、
言葉で反撃するだけに済ましていたら
彼女らの人生はどう変わっていただろう、
なんてつまらないことにも思いが至る。
更には、自己の解放とは言え、
命を落としてまでの設定にしなくとも、と。

でも、今回の鑑賞でも、
特異な事態に追い込まれながらも
自己の解放に至る二人には、
悲劇の結末ではあるのに、
とても爽やかに見えてしまうラストシーン
には涙腺が緩むばかりの
稀有な感覚が再び私を包んだ。

それにしても、冒頭からたたみ込むような
スピーディーで無駄の無い演出と、
最終盤に全てを集約していくような脚本には
脱帽するばかりで、
リドリー・スコット監督が超一級の映画作家
であることを再認識させられるばかりで、
この作品、私の中では「ブレードランナー」
と並ぶ彼の最高傑作であると
改めて認識させられた。

KENZO一級建築士事務所
talismanさんのコメント
2025年10月8日

リドリー・スコット監督の最高傑作だと私も思います!

talisman
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