「可笑しく切ない、破滅への旅路」テルマ&ルイーズ kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
可笑しく切ない、破滅への旅路
まず、ストーリー展開が見事。
カーリー・クーリ女史が数々の脚本賞を受賞しただけの事はある。
リドリー・スコットの映像は、蒸気を土煙に置き換えて、乾いた西部をひた走る。
劇場での観賞は、初。
午前十時の映画祭にて。
テルマ(ジーナ・デイヴィス)とルイーズ(スーザン・サランドン)は、親友のようでいて、それほどお互いを知らなかったのか、旅立つ早々に性格の不一致が表面化する。
専業主婦で夫からぞんざいな扱いを受けているテルマは、独身ウエイトレスのルイーズから誘われて旅行に出るが、それだけでも一大決心だった。
一方ルイーズは、恋人が結婚に踏みきる様子がなく悶々とした生活を送っていて、気晴らし旅行の同行者に友達のテルマは最適だと思ったのだろう。
ところが、いざ旅に出ると助手席で足をあらわに投げだすテルマの振舞いにルイーズは苛立ったりする。
恐らく、そんな些細な不一致はお互い様で、少しずつ気を遣い合って小旅行を楽しもうと心がけたと思う。
だが、途中立ち寄ったバーで解放感に浸ったテルマの行動をきっかけに事件は起きてしまう。
そして、気晴らし旅行は一転、逃避行となる。
基本的に二人の行動を引っ張っているのはルイーズなのだが、転換点はすべてテルマの行動だ。
テルマの変化を「成長」と捉えるか否かだが、「脱皮」と言うのが適してると思う。
このテルマの変化の過程を見せていくエピソードがそれぞれに面白い。
重ねて、テルマの自宅に張り込む刑事たちと夫の様子がコミカルで、最終局面を想像させない軽さ。
優柔不断な弱い女から脱皮したテルマの最期の決断をルイーズは受け入れる。
鋭い分析力で彼女らの状況を理解している刑事(ハーヴェイ・カイテル)の彼女たちを救いたいという願いも虚しく、逃走に終止符を打つ二人。
彼女らの車を走って追った刑事の悔しさと無力感をよそに、最も解き放たれた世界へと飛び込んでいくラストショットは、悲劇的というよりむしろ爽快感すらあるではないか!
パトカーの大群をルイーズが振り切るシークエンスは、壮観でダイナミック。
ドアミラーが弾け飛ぶスローモーションなどはサム・ペキンパー的だ。
そして、彼女らの目の前に警察のヘリが現れる演出。
このクライマックスは、映画史に残る名シーンと言っても良い。
「爽快感」への丁寧な説明。ありがとうございました。
私にとっては、まだ、なかなか「爽快感」にはたどり着けませんが、みなさんがいっている意味の「爽快感」が少しずつ伝わってききました。
それでも、幸せに暮らしている二人の姿を見たかった気はしますが・・・。
ほんとうにありがとうございました。
kazzさんへ
リドリーからキャメロンへのメッセージだと思うんです。「あのシーンには痺れたぜ!」みたいな。
残念ながら、ランボーは1しか見てないんです。あの人が、なぜか苦手なんですよね、ロッキーの時からw だからロッキーも1だけしか見てないw
崖際のヘリコプターのシーンは丸っ切りエイリアン2でした!エイリアンを撮ったリドリーがキャメロンの2の場面を再現すると言う!あそこが最大の萌えシーンでしたw