「幻惑的で面白い」ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
幻惑的で面白い
テレビシリーズの前日譚、アメリカの田舎の闇を大変恐ろしく魅力的に描かれていた。
ローラパーマーが当時は世界一美しい死体と言われていて、魅力的に思っていたのだが、元気な彼女はけっこう太めで高校生に見えないくらい初々しさがない。ヤリマンのヤク中で、性格もあんまりよくなかった。そんな彼女の生活ぶりが物語の中心だった。ヤクでらりっているのか、変な幻覚ばかり見て辛そうだった。それ以上につらいのはお父さんとの関係で、お金持ちで学園の女王でも楽しいことばかりじゃないんだな~とやりきれない気持ちになった。
飲み屋の場面の廃退ぶりがすごかった。
最初にドラマを全く見ずに映画館で見たときは意味が全然分からず、面白くなかったため、ドラマを見て改めて見たらとてつもなく面白くて、こうも違うのかとびっくりした。今回4回目かな、改めて見たら、そこまでじゃなかった。カイルマクラクランの出番が少なくて残念だった。
(追記)
テレビドラマの再放送をWOWOWでやっており、それを見終えてこの映画を見たら、とてつもなく面白かった。リンチの最高傑作のうちの1本であることは間違いない。性とドラッグと退廃と狂気と闇の魅力を究極的に描き出している。超えてはいけない一線を超えたくなってしまうほどで、よくないのは間違いないのにやってしまいたい。そんな機会はないであるが、もし身近にそんな空間があったら間違いを犯してしまいそうだ。
ローラ・パーマーはヤクのせいもあるかもしれないけど1日を48時間くらいに過ごしていそうなほど寝る間も惜しんでエネルギッシュに騒いでいた。
テレビ版で、ローラの従姉妹役で本人が出てくるのだが失敗だと思う。もっと出し惜しんでほしかった。また、テレビ版は途中で事件がほぼ終わって、どうでもない話がだらだら続いていて、最後まで見るのが面倒だった。