劇場公開日 2008年8月2日

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「原作のテーマは尊重して欲しい」スカイ・クロラ The Sky Crawlers nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0原作のテーマは尊重して欲しい

2025年1月3日
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鑑賞方法:VOD

原作未読ですが、シリーズの最初の作品であるが、最終章にあたる作品だということと、映画とは結末が違っている事は確認しています
つまり、原作はこの作品を世に出してから、過去を創作して行ったという事です
最初からの構想か、評判が良かったからそうしたのかは知りません
攻殻機動隊の押井守がこのSFを映画化作品として選び、結末を変えたのも興味深い

キルドレとは新薬の実験で偶然誕生した生命体で思春期を過ぎると成長が止まり永遠に生き続ける存在
肉体的には通常の人間でセックスも出来るし、子供も作れる
人間とのハーフが不死なのかは知らされていません

彼らの存在は、本来なら、世間に知られてはいけない
なぜなら、既存の人間の妬みを買いますからね
情報が漏洩したんでしょうか
彼らへの処遇は、彼らの不死を奪う事だったんでしょう
殺し合いをさせる事で不死を奪った
恐ろしい話です

今なら反対する人も出てくるだろうけれど、人間の思考も今とは違うんだろう
人の思考の変遷は、最近、特に痛感する
ドラマを観るのに、倍速で観て情報だけを取得する若者達
彼らは情緒などと言うものは無くなっていくんだろう
なんて、自分の居なくなった未来に背筋がゾッとしたり
まあ、死んでんだからどうでもいいけど

押井守は、この作品で
「今を生きる若者たちに、声高に叫ぶ空虚な正義や、紋切り型の励ましではなく、静かだけど確かな真実の希望を伝えたいのです.」
だそうです

そのために、原作をいじったんですね
なんか、原作の意図を蔑ろにしているような気がします
読んでないから、わからないけれど

2008年の作品です
ちょうど”崖の上のポニョ”が公開され頃
絵本好きな大人が増えたせいで、ポニョのず一人勝ちだったようですが

色々考えさせられる作品です
それは原作の力だと思うので、読んでみたくもあります
その原作は2001年と古い
時代を先読みしたすごいSF小説ですね
映画だけで、そう思います

作者は森 博嗣という理系の人で
”すべてがFになる”の作者です
ドラマ化されていましたね

nakaji