断崖のレビュー・感想・評価
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【優しかった男と結婚した女性が、徐々に夫の不可思議な行動の数々を知り、疑念を抱いて行く様と、ラストの断崖絶壁を猛スピードで走る車中のシーンのハラハラ感からの展開が見事な作品。】
■列車で同席したジョニー(ケイリー・グラント)に一目惚れした富豪の令嬢・リナ(ジョーン・フォンテイン)は、周囲の反対を押し切って結婚する。
だが、実はジョニーが無一文であることが発覚し、更にリナに言われ仕方なく就職した会社でも横領を行い、ジョニーの友人、ビーキー・スウェイトと不動産会社を立ち上げとしていた最中、彼は謎の死を遂げる。
毒物に興味を抱く夫、ジョニーの姿を見て、リナはジョニーが自分と結婚したのは、自分の財産目当てではないかと疑い始める。
◆感想<Caution!内容に思いっきり触れています。>
・前半のロマンティックな展開から、ジョニーがリナに隠していた様々な事が明らかになる過程から、作品のトーンは怪しげになって行く。
・リナを演じたジョーン・フォンテインが、ジョニーが近づくたびに震える姿や、睡眠不足になって行く様。
・更には、リナの為にジョニーが螺旋階段を上がりながら、ロンググラスに牛乳を入れて持って来る時の、雰囲気(牛乳が光っている。)及び彼女がそれに口を付けずに朝を迎えるシーン。
■実家の母に会いに行くというリナを、ジョニーが車で送って行くシーンのハラハラ感は尋常ではない。
断崖絶壁の道をスピードを上げて走るジョニーの表情とカメラのショットの使い方。
<車から落ちそうになったリナの腕を掴み、ジョニーが彼女を抱きしめるシーン。そして、ジョニーの毒物に興味を抱いていた真実が明かされる過程も、ナカナカである。
もう‼ドキドキするなあ!!>
令嬢目線で 👀
上流階級の純な令嬢リナをジョーン・フォンテインが、軽薄なプレイボーイのジョニーをケーリー・グラントが演じる。
時に大胆さを見せるリナでしたが、演じたジョーン・フォンテインが纏う圧倒的な清潔感は変わらなかった。
ケーリー・グラント、プレイボーイ役がこんなにも似合うとは…。その軽薄な台詞に、リナ目線で「 …。」
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
ラストはオリジナルのままにしてほしかった。
もしも、客がケーリーグラントという俳優を、この映画で初めて見たとしたら・・・看板俳優のイメージが最悪になってしまう・・・ということを考えて映画会社が結末を変えてしまったので有名な作品です。
オリジナルのストーリーでは奥様は殺されてしまう結末になってます。しかし奥さんは手紙を書いていた。自分が殺されることを知っていたのです。それでも夫を愛していたのであえて死ぬ道を選んだのです。でも次の被害者を出さないために刑事あてには手紙を書いていた。それが切手を貼った状態で机の上に置いてあったのです。ケーリー・グラントは気まぐれでその手紙を郵便に放り込みます。そして口笛を吹きながら去っていく・・・が、ラストショットだったんです。なんてすばらしい脚本だろう。
私はラストを変えて欲しくなかった。そしたらヒッチコック作品の中でも指折りの傑作になってただろうに。だからとても残念です。
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