「ドキュメンタリー風アニメ」サーフズ・アップ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリー風アニメ
冒頭からインタビュー形式で始まるドキュメンタリータッチのアニメ?と、不思議な感覚に包まれる。そういえばサーフィン映画にはドラマもあるけどドキュメンタリーも多いし、そうした映画をオマージュしていたのかもしれません。山下達郎の曲をフィーチャーした『ビッグウェイブ』もあったし、サーフィン映画はBGMも重要な要素。それを考えると、少し物足りなかった・・・
主人公コディはイワトビペンギン。『皇帝ペンギン』『ハッピーフィート』に続きペンギン映画でもありますが、そのペンギンが伝説のサーファー“BigZ”に憧れて、ペングーアイランドで催される大会に参加する物語。ペンギンは泳ぐのも得意なんだし、何もサーフィンさせなくてもいいじゃないか・・・と冷ややかな目で見ていたのに、いつしかその違和感も全くなくなりました。
サーファーのサクセスストーリーだとか、迫力ある波乗りシーンを中心にしたものとか、そんな先入観も打ち砕かれるほど、意外な展開・・・というより、単なる友情物語でした。生きていく目標が大会で優勝することだなんてつまらないこと。サーフィンは楽しむものなんだ、と隠遁生活を続けていたギークは説く。コディはそれを理解できず、ライバルに勝つことばかり考えていたけど、技術的なことも教えてもらえないので焦るばかり。
なぜかペンギンだけの物語ではなく、大会にも出場するチキンのジョーも物語の中心にいる。もちろんドキュメンタリー風なので、陰では常に人間が彼らを撮影しているはず。どういう趣旨で作られたのか・・・対象年齢がさっぱりわからない内容です。それでも最後にはウルっとさせられ、勝つことが大切じゃないんだと納得させられる。いい映画だったのかな・・・
【2007年12月映画館にて】