劇場公開日 1998年10月24日

「現代風にうまく洗練させた作品」ダイヤルM Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0現代風にうまく洗練させた作品

2013年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

総合:80点
ストーリー: 75
キャスト: 80
演出: 80
ビジュアル: 70
音楽: 70

 ヒッチコックの名作のリメイクである。ヒッチコック版は良く出来た作品であったが、こちらのリメイク版も流石に現代風に洗練されていてなかなか楽しめるものになっている。

 まずマイケル・ダグラスの悪人ぶりがいい。事業で相場を読み違って投資判断を誤り、莫大な金を失い破綻寸前になって追い詰められている心理状況がよく描かれている。刻一刻と迫る破綻の時に苛立つ。また妻とのすれ違いと彼女の浮気の事実。妻への愛情はすでにない。だからこそ財産を持つ妻を殺さなければならないという動機がしっかりと描かれており、この点でヒッチコック版を上回る。そして妻殺しに失敗した後でも、善良な仮面をかぶり弱った妻に付けいり犯罪を隠そうと必死に模索する狂気を少し帯びた姿がまた迫力がある。
 妻役のグウィネス・パルトロウは、グレース・ケリーのような上品で控えめな美しい理想的妻像とはちょっと違うが、それでも知的で美しくそして夫とのすれ違いと寂しさに悩む現代の一人の女をうまく演じた。それで浮気をしてしまうのがいかにも現代版の女性像であろう。妻の浮気相手が、弱みに付け込まれて大人しく言うことを聞くだけではない犯罪者というのも面白い。

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Cape God