「意外と」300 スリーハンドレッド まゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
意外と
意外と面白かったです。
全体的にアメコミっぽい。ビジュアルとか衣装とか、良い意味で現実味が無い。CG駆使してますって世界。リアリティは無いので荘厳な歴史物を期待するとちょっと違うかもしれない。紀元前の話なので、こういう世界観もアリかなと。
司祭にオリンピックやるから戦争やっちゃダメと言われて、それじゃ国を乗っ取られるやんけ!と300の戦士で100万のペルシャ軍に果敢に立ち向かうも、結局負ける話。歴史全然知らなくて鑑賞後ググったら、色々面白かった。アテネとスパルタは二大ポリスだが、決定的に違うのは、スパルタは先住民が居たところを侵略して奪い取り、先住民を奴隷にしているので、度々起こる奴隷の反乱を抑えるために強力な軍事国家になったというところ。しかも優生思想のせいで人口が激減して国が滅んだ。戦士になれなそうな弱い人間が生まれないように外国人との混血もNGだし、戦士ではない男の姉妹が結婚したり出産することも禁じた。そりゃ当然人口減りますわ。
凄いなと思ったのは、このテルモピュライの戦いで生き残った息子たちが再度戦って、ペルシャを諦めさせたことだ。スパルタはヤバいぞ、やめとこうと思わせた。(この後アレクサンドロスが華々しく登場してギリシャ帝国時代へ突入するわけだが)戦えない人間はゴミクズという色々酷い時代ではあるが、なんか胸アツ。
で、続編は息子たちの勝利を描くのかと思いきや、テルモピュライの援軍ギリシャのドラマを題材にしているらしい。まぁ、勝つことが分かってて、親の仇打ちなら尚更誰も文句言わない正義の戦い…作るにはあんまり興味沸かないかもしれん。
ギリシャ神話に出てくる戦いの女神アテネが、スパルタ軍とそっくりな格好で描かれる事が多いですね。特徴的な兜、赤いマント、丸い盾。納得しました。