「スパルタ兵士に見事に剣で斬られた相手の血飛沫の描写が何とも残酷、且つ劇画チック」300 スリーハンドレッド Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
スパルタ兵士に見事に剣で斬られた相手の血飛沫の描写が何とも残酷、且つ劇画チック
ザック・スナイダー監督(バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生等)による2007年製作の米国映画。
原題300、配給ワーナー・ブラザース映画。
スパルタという都市国家の歴史に興味が有り、視聴。ただ、歴史ものというより、超バイオレンスのアクション映画であった。
舞台は紀元前480年、スパルタ王のレオニダスとペルシア帝国(アケメネス朝、指揮するのはクセルクセス1世)が闘ったテルモピュライの戦いを描く。
男子が7歳になると母親から引き剥がされ、徹底的に軍事訓練を受けさせられるというスパルタの教育を、映像で象徴的に描いていたのが印象的。降伏求めるペルシア使者を殺してしまうレオニダスも野蛮であるが、オドロオドロしいペルシア側人間の描写が相当に差別的で、驚かされた。イランに関する2002年ブッシュ大統領による悪の枢軸発言、2006年の制裁開始を受けて、安心して敵に出来る相手ということなのだろうか。
スパルタ軍兵士が上半身裸なのは驚かされたが、この闘いを描いた絵画を見ると史実?重そうな銅製らしい盾を用いて、剣は勿論弓からも守るスパルタ軍隊の強力な防御能力に感心させられる。剣で斬られた相手の血飛沫の描写が何とも残酷且つ劇画チックで、主ターゲットとする米国人男性の鬱憤の大きさの様なものを感じてしまった。
敵役ながら、ペルシャのクセルクセス1世を、装飾的な衣装と共に、世界を支配しようとする誇大妄想者の狂気じみた執念を体現したブラジルの俳優ロドリコ・サンドロには見せられた。
製作ジャンニ・ヌナリ マーク・キャントン、バーニー・ゴールドマン、ジェフリー・シルバー、製作総指揮デボラ・スナイダー、フランク・ミラー、クレイグ・J・フローレス、トーマス・タル、ウィリアム・フェイ、ベンジャミン・ウェイスブレン。
原作は米国フランク・ミラー(グラフィックノベル『300』)、リン・バーリー、脚本ザック・スナイダー、カート・ジョンスタッド(ネイビーシールズ等)、マイケル・B・ゴードン。撮影ラリー・フォン、美術ジェームズ・ビゼル、編集ウィリアム・ホイ、音楽タイラー・ベイツ。
出演はジェラルド・バトラー、レナ・ヘディ、ロドリゴ・サントロ、デビッド・ウェンハム、ドミニク・ウェスト、ビンセント・リーガン、マイケル・ファスベンダー。