「いい後味の悪さ。」プレステージ きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)
いい後味の悪さ。
俳優陣が豪華で、マジックがテーマということで気になって鑑賞。
想像していた内容とは違いましたが、そのおかげで意表を突かれる形で楽しめました。
何度か時間軸が交差するのでわかりづらく感じるところもあるかも。
美術面がいいですね。舞台が19世紀末のイギリスということで、衣装がとてもオシャレ。
豪奢でありながら仄暗さも感じさせる雰囲気が今作の内容ともマッチしていて良かったです。
内容としては、マジックがテーマというのは確かなのですが、ヒュージャックマンとクリスチャンベール演じる2人のマジシャンの軋轢とマジックへの執念が話の核になります。
途中でヒュージャックマンが1人2役を演じるのですが、別人に見える上に、その性格まで感じ取れるのが凄い。演技力を感じました。更に衣装が似合うこと似合うこと。
クリスチャンベールはクールなイメージですが、ふとした瞬間の表情がいいですね。
マイケルケインの渋さも良かったです。脇役ではありますがさすがの存在感。
デヴィッドボウイ、世代ではないのであまり存じ上げないのですがテスラ役素敵でした。普通に俳優さんかと思っていて鑑賞後に調べてびっくり。
スカヨハ綺麗…。衣装もよく似合ってます。
敵対する主役2人。マジックへの執念。その行き着く先は…。終盤はやるせなくなります。特にサラさん…。
一番好きなのはラストのアンジャーのセリフ。彼の元々の地位を考えると、より深みのある言葉に感じます。2人に共通する思いですね。
同じ思いを持っていながらも対立してしまうのがなんとも悲しい。こじれる前にきちんと話し合えばわかりあえる未来もあったのでは…と思ってしまいます。
うまく伏線がちりばめられているので、見返すと新しい発見がある、1粒で2度美味しい映画です。