劇場公開日 1976年8月7日

「【”二人を見捨てるな。守るべきは憲法修正第一条、と編集主幹はワシントンポスト記者たちに言った。”今作は余りにも有名なウォーターゲート事件の実写化であり、ジャーナリストの執念を描いた作品でもある。】」大統領の陰謀 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”二人を見捨てるな。守るべきは憲法修正第一条、と編集主幹はワシントンポスト記者たちに言った。”今作は余りにも有名なウォーターゲート事件の実写化であり、ジャーナリストの執念を描いた作品でもある。】

2024年12月28日
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鑑賞方法:TV地上波、VOD

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ー 今作では、派手なカーチェイスや銃撃戦などは一切登場しない。描かれるのは入社して僅かのボブ・ウッドワード(ロバート・レッドフォード)と先輩記者カール・バーンスタイン(ダスティン・ホフマン)が執拗なまでに、民主党本部オフィスに侵入した男5人に関係しそうな人たちに取材する姿である。
  或る時は、ほぼ一日待合室で待たされ、或る時は取材を拒否される。だが、社の女性の元交際相手がニクソン再選委員会メンバーと知れば彼女からメンバーリストを手に入れ、只管に取材をし、タイプライターで記事を打ち続けるのである。

  そして、徐々にニクソン大統領の右腕であった”ホールドマン”が全てに関わっていた事を突き止めて行くのである。

  今作が、ジャーナリスト映画として優れているのは、ワシントンポスト紙の編集主幹だったベン・ブラッドリー(ジェイソン・ロバーズ)の部下を信じ、後押しする姿であろう。
彼が劇中に言う””二人を見捨てるな。””守るべきは憲法修正第一条”という言葉からもそれが伺えるし、ジャーナリスト魂が伝わって来るからである。

  ”ディープ・スロート”がボブ・ウッドワード記者に情報を流すシーンの演出も効果的である。

<冒頭とラストのシークエンスの連動性や、ラストのニクソン大統領が再選を果たした実演像が流れる中、タイプライターの文字でウォーターゲート事件に関わった人達に有罪が下った事がテロップで流され、ニクソン大統領が史上初めて現職大統領で就任中に辞任した事が最期にテロップで流れて、エンドと言う終わり方も非情に秀逸である。>

NOBU