「SF全振りのクライマックスに戸惑うも、コレはコレでアリ。」インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
SF全振りのクライマックスに戸惑うも、コレはコレでアリ。
クリックして本文を読む
これは好き好きだとは思うのだが、このシリーズにノスタルジックな宝探しアドベンチャーを期待する者として、ルーカスが打ち出したSF路線には戸惑いがデカい。逆にルーカスは、同じところにとどまるのを良しとしなかったのだろうと思うし、そもそもの荒唐無稽さを考えれば「インディ・ジョーンズ 未知との遭遇」と改題したほうがいいと思える内容も、ルーカスのチャレンジ精神の賜物だったのだろうと納得はできる。
とはいえ見せ場を数珠つなぎにしただけで、物語がハネないという欠点はいかんともしがたく、新規参入組であるシャイア・ラブーフやケイト・ブランシェットもあまり生かされていない。かろうじて、本来はヘンリー・ジョーンズ(ショーン・コネリー)を想定して書かれていたというジョン・ハートの狂人っぷりと、常に敵と味方の狭間にいるレイ・ウィンストンの不遜さが、過去作にない魅力だと感じた。
いや、序盤の1950年代らしい空気はさすがで、大学を出るまでのテンポもいい。しかし、思えば1作目3作目の完成度とは別に、2作めのグダグダ加減もまた「連続活劇」らしさなので、年月を経て、これはこれでアリだという気がしてきた。
コメントする