ダーティハリーのレビュー・感想・評価
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【44マグナム弾が炸裂する、クリント・イーストウッドが米国映画界に鮮やかに降誕した作品。米国憲法修正第4条に激しい怒りを叩きつけた作品でもある。】
ー 私事で恐縮であるが、今作は映画好きの両親からTVで観る事を許されなかった作品である。
だが、そう言われれると観たくなるのが人の性であり、中坊時にTVで見た際には犯人のスコーピオンがスクールバスに乗っていた幼子たちを人質にし、”漕げ漕げ漕げよ!”という童謡を強要するシーンは、未だにトラウマに近い感覚で、覚えている。-
◆感想
・ハリー・キャラハン刑事を演じたクリント・イーストウッドの、時に法律スレスレの行為で犯人を追い詰める姿が、それまでの米国アクション・ムービーの枠を超えた作品である。
- 今作が、その後の刑事ものの米国映画に与えた影響は計り知れないと思う。-
・犯人役の知的で、残虐で、法を盾にするスコルピオンを演じたアンディ・ロビンソンの怪演も忘れがたい。
- アンディ・ロビンソンは今作のイメージが強すぎて、その後、作品に恵まれなかった。
それだけ、今作での彼の演技のインパクトは大きかったし、今作の価値を高めていると思う。-
<今作は、それまでアメリカ映画が踏み込んでいなかった領域に踏み込んだ、画期的な映画である。
決して爽快な映画ではないが、当時の(現代でも)アメリカで起こっている悲惨な事件に対し、”悪には悪を持って制する”というスタンスを綺麗ごと無しに描いた作品である。
結果論かもしれないが、「グラン・トリノ」を代表とする今作後のクリント・イーストウッドの映画製作姿勢の礎になっている作品であると、私は思う作品である。>
ホットドッグと黒ビール
始まりの方で クリントイーストウッドがホットドッグを食べながら黒ビールを飲む場面がとてもうまそうで印象に残っている。真似してホットドッグを食べながら黒ビールを飲んでみたらとてもおいしかった😁
凶悪犯人役のアンドリューロビンソンがとても良かった。
やっぱり映画は悪役がうまくてなんぼでしょ。
幼稚園のバスを乗っ取り 犯人が子供達をうまく騙そうと歌を歌わせるが だんだん犯人が焦りだしイライラしはじめて子供達が怖がりだす。そういう持っていき方がうまいな思う。
絶対的傑作
古い録画を見た
スリリングなタッチ
ドン・シーゲル
211 in progress
いきなり市中で44マグナムをぶっ放し、犯人相手に名台詞”Do I feel lucky?”をぶちかます。名刺代わりの1シーン。続いて、飛び降り自殺の現場で不用意に説得役をかって出て、型破りな流儀を見せる。ダーティハリーのやり方。法システムへの苛立ちを私刑でもって呼応する。間違っているが、間違っていることを見せることに意味がある。
闇のシーンが多いが、そこに映える十字架の外壁の白肌やライトオンされたスタジアムの緑、そして傷ついた足を踏みつける絵でズームアウトと異様なカメラワークも印象的。音楽も素晴らしい。
犯人のアンドリューロビンソン怪演も忘れられぬ所。刺されて叫ぶ、踏まれて喚く、殴られて朦朧とする、撃たれて吹っ飛ぶと、その一つ一つが目に焼きつく。
冒頭ぶっ放しとラストシーンが白眉
昔テレビで吹替えを見ただけだったので改めて観てみた。ドン・シーゲル監督1971年映画。
今見るとと流石に古さを感じずにはおれない。ラロ・シフリンの音楽も当時のテイストでかなり時代を感じる。
70年代映画にあるラフで猥雑な感じ。丈長なシーンや描き方が足りないと思う所も多し。(スコルピオの行き当たりバッタリ感とか)
ちょっと食い足りなさはある。しかしキャラが素晴らしく立っているんだよねえ。
西部劇を現代刑事に置き換えた作戦は成功しドル箱シリーズとなったわけで。フィルムから臭い立つようなバイオレンスはドンシーゲルから監督イーストウッドに受け継がれたと。その原点を確認できたという点が良かったです。
かっこいい~
イーストウッドの大出世作!
けいじ映画の凡作でした
けいじ映画の凡作でした。 中盤までは、 狡猾な犯人とハリーの対決が楽しめました。 しかし、 終盤に犯人がきゅうにばかになり、 展開もありきたりになり、 退屈な映画に成り下がりました。 残念でした。
また、 タイトルが [ダーティハリー] にもかかわらず、 なぜか映画の中では [ダーティーハリー] とよんでいました。 意味不明です。
さらに、 ハリーは最後に警察バッヂを投げ捨てますが、 なぜか続編がダーティ・ハリー 5 まで せいさくされています。 理不尽です。
渋い大人のハードボイルド
現代ポリスアクションの原点
イーストウッドのイメージを決定付けた傑作。本作がなければ後の大スターにして巨匠イーストウッドはなかった。
西部劇スターだったイーストウッドがサンフランシスコ市警の殺人課刑事ハリー・キャラハンに扮する。大柄でタフなこの刑事は法律スレスレの荒っぽい捜査と反権力的な態度でダーティハリーとあだ名されている。愛用の銃は強力な44マグナム。後に雨後のタケノコようにハリーの兄弟が産まれてくる理由が分かる強烈なキャラクターだ。
ストーリーはサンフランシスコに現れた連続殺人犯をハリーが追い詰めていくというシンプルなもの。連続殺人犯は当時全米を震撼させた実在のゾディアックキラーをモデルにしている。映画ではこの犯人はスコルピオと名乗っている。スコルピオは明らかにベトナム戦争の帰還兵で現在ならPTSDの典型的症例とされるだろうが、当時はPTSDは一般的に知られておらず、ただただ不気味な狂気の存在に見えたはずだ。演じるアンディ・ロビンソンが恐ろしい存在感をみせる。
ハリーは警官としての使命感以上の私的な怒りでスコルピオを追っている。ふたりの追撃戦は首輪を喰いちぎった猟犬と狂犬の戦いになる。
監督ドン・シーゲルとイーストウッドは名コンビで本作が4作目。全5作でコンビを組み、本作の前のイーストウッド初監督作「恐怖のメロディー」ではシーゲルがバーテンダー役で出演している。余談だが本作のタイトルロールでハリーの後ろを歩くピケ帽にサングラス、口ヒゲの男がシーゲルではないかと思う。
シーゲルは50年代のB級フィルムノワールでならした名監督。ムダのない簡潔な演出が本作でも冴え、イーストウッドが師と仰ぐのも肯ける。
本作は今のアクション映画にあるようなしつこさがない。アクションは必要最低限だ。しかしシーゲルの演出が強烈な印象を残す。名シーンはハリーが夜のフットボール場でスコルピオを追いつめるところ。粗い粒子の画面とヘリコプターショット。この映画は全編が暗いカタルシスに覆われているがこのシーンが象徴的だ。
優れたアクション映画の本質が本作にはある。銃撃戦も映画的にリアルだ。弾丸が雨アラレのように降ったりしない。シーゲルの演出の冴えがここにある。
シリーズを通してハリーの名ゼリフが沢山あるのも見どころ聞きどころ。これは必ず冒頭とラストでリフレインされるのが決まりになっている。
ラストのやるせなさもイーストウッドらしい。
●アンチ・ヒーロー誕生。
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