劇場公開日 1972年2月11日

「名キャラクター、ダーティ・ハリーの確立」ダーティハリー Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0名キャラクター、ダーティ・ハリーの確立

2013年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波、CS/BS/ケーブル

興奮

総合:75点
ストーリー: 65
キャスト: 80
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 65

 問題も起こすが凄腕の刑事。奇麗事ではどうにもならない犯罪者相手にも、遠慮することがなく強引な手法で追い詰めていく。だから彼の相棒には常に危険がつきまとう。そして右手にはマグナム44という、人を撃つには重くて反動が大きくて扱いにくい銃をわざわざ持って「この銃は世界で一番強力な拳銃だ。一発でお前の頭など吹っ飛ぶぞ」と犯人に向かって丁寧にご自慢の愛銃の説明をしてやる。この普通じゃない銃が彼の象徴となり、彼が普通じゃない刑事というのを簡単に理解させてくれる。
 こうしてハリー・キャラハン刑事という、映画至上に残る名キャラクターの確立に成功した。題名が「ダーティ・ハリー」なのだから、健全な正義漢などである必要がない。このくらい癖のあるほうが印象はかえって強いものだ。だからハード・ボイルド劇として迫力が出る。

 物語は凶悪犯が証拠不十分というだけであっさりと釈放になったり、それを警察が野放しにしてみたりと釈然としないものもある。でもハード・ボイルドだからいいのだ。それがキャラハンが活躍する場面を後で見られる伏線なのは、みんな最初からわかっているのだから。

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Cape God