劇場公開日 2000年2月19日

「俳優陣の好演が輝く、素敵なロマンティック・コメディだ。」理想の結婚 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5俳優陣の好演が輝く、素敵なロマンティック・コメディだ。

2024年12月8日
PCから投稿

オスカー・ワイルドの戯曲『理想の夫』を映画化。いくつか削除や変更が見られるが、原作を尊重して、楽しく軽妙に翻案している。キャスト陣の好演が、この明るく雄弁な会話劇に、大きな魅力を与えている。

心優しく賢明な妻を演じ、実に魅力的なケイト・ブランシェット。一見プレイボーイ、でも誠実な男性を好演したルパート・エヴェレット。根っからの悪人では無い貴婦人を、自然な演技で見せたジュリアン・ムーア。

過去の醜聞に悩むが根は実直なジェレミー・ノーサムや、とにかくチャーミングな(今でいうツンデレかな?)ミニー・ドライヴァーも、役柄に応じた等身大の好演で、本当に味わい深い。

会話中心の映画だが、俳優たちの素晴らしい演技と、機知に富んだ脚本のおかげで、窮屈さやつまらなさとは全く無縁の、軽やかで愛らしいロマンティック・コメディに仕上がっている。

瀬戸口仁