「ネームバリュは低いが大島を知るには必見」太陽の墓場 散歩男さんの映画レビュー(感想・評価)
ネームバリュは低いが大島を知るには必見
大島渚の監督3作目。1960年映画。大阪のドヤ街の最底辺で生きる人間達を描いた作品。
ポン引きと採血をシノギにする愚連隊と拾い屋ルンペンたち。まだ戦後が色濃く残っていた時代とはいえかなり強烈。この容赦なさが描きたいことなのだ。監督は、どうやって食っていくか、どう人間らしく生きていけるのか、を問うてくる。
若き日の佐々木功・津川雅彦は甘いマスクの超絶二枚目。しかしこの映画で最もインパクトあるのは女優の炎加世子であろう。猛烈な関西弁でズバズバもの言う姿はそれだけで画面をさらう。彼女のバイタリティが救いでもある。
ところどころ実験的なテイストを入れつつ若き大島監督の才気が漲った一作と言えましょう。
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