「【”人の役に立つ存在になれ”人間の限りなき善性と少しの愚かしさを、温かい視点でラッセ・ハルストレム監督が描き出したヒューマンドラマ。】」サイダーハウス・ルール NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”人の役に立つ存在になれ”人間の限りなき善性と少しの愚かしさを、温かい視点でラッセ・ハルストレム監督が描き出したヒューマンドラマ。】
ー ご存じの通り、ラッセ・ハルストレム監督は人間の善性(犬も・・)を信じて映画製作を続ける監督である。今作は、その基本姿勢が最良の形で具現化された作品である。-
■内容は、ジョン・アーヴィングの原作とともに、巷間に流布しているので割愛。
◆感想
・久しぶりに鑑賞したが、孤児院で生まれ、育っていくホーマーをトビー・マグワイアが好演している。
・だが、矢張りラーチ先生を演じたマイケル・ケインには唸らされる。
誰もやりたがらない法に抵触する堕胎手術も手掛けながら、孤児院を運営する姿。
良心の呵責を和らげるために、常に眠る際には痛み止めをマスク越しに服用している。
・ホーマーは長じて、外界を知りたい気持ちを抑えきれずに、堕胎に来た軍人ウォーリーとキャンディ(シャーリーズ・セロン)との関係性を深めていく。
そして、二人と共に初めて外界に出ていくホーマー。
・そこで、彼が経験したウォーリーの親が経営する林檎園で経験した事。戦地に旅立ったウォーリー。残されたキャンディとの初めての情事。
・林檎園を取り仕切るミスター・ローズと彼の娘、ローズ・ローズとの許されざる関係性の描き方。
<久方振りに鑑賞したが、矢張りとても良い作品である。
シャーリーズ・セロンの出世作でもあるし、寛容な思想を持つラーチ先生を演じたマイケル・ケインの姿には唸らされる。
アクセントとして、”キングコング”の第一作も効果的に使われており、ラッセ・ハルストレム監督のセンスの良さが伺える。
ホーマーの将来を想い、ラーチ先生が遺した僅かな嘘。
ジョン・アーヴィングの原作も素晴らしいが、今作はそれに比肩する素晴らしさを維持している稀有な作品である。>
コメントする