「夏目文学の整った造形美が見事な森田芳光の映画道」それから(1985) Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)
夏目文学の整った造形美が見事な森田芳光の映画道
森田芳光監督の演出は、役者の間を置いた呟きと静かなパン撮影で明治の時代再現を試みる。その調和が整った造形美になっている。夏目文学の困難な映画化と思われるだけに、その挑戦は成功していると言っていい。セット、衣装、照明など拘った撮影が見事。ただ、私的には合わなかった。技巧の優れた映像美に対して、登場人物の本音の内面表現が希薄に感じてしまい物足りない。
1986年 1月17日 名画座ミラノ
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