ゴースト・ドッグのレビュー・感想・評価
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ジャームッシュがこんな葉隠をめちゃくちゃ引用する映画作ってたなんて...
ジャームッシュがこんな葉隠をめちゃくちゃ引用する映画作ってたなんて、、、
おもしろかった。ジャームッシュのちょっとB級感の雰囲気ある映画も大好きなので、最高。
今みても中々新鮮
採点3.7
何だかすごい久しぶりに観ました。
ラップ武士道のクライムムービー。
マフィアお抱えの殺し屋だったが、ちょっとした手違いからそのマフィアから命を狙われる事に。
そして愛していた鳩が皆殺しにされたことで復讐の幕が開く。
またスコセッシ作品みたいに、出てくるマフィアが初老なのが良いですね。あと皆家賃滞納したりと落ちぶれた感じも。
それと忘れてましたよ「すべてを熟知」。
不意打ちだったので、これが映った時は笑いましたね。
あと何故かマフィアは皆アニメが大好きなのも面白いですね。
最初は静かなんですが、途中からの展開がスピードを上げて進むのも観やすいです。
ラストも武士道にならった様な潔さですね。少し物悲しいです。
今みても中々新鮮な作品でした。
【”武士道と云うは死ぬことと見つけたり。”オフ・ビート感なき珍しきジム・ジャームッシュ監督作。武士道の欠片もないマフィアに対し、”葉隠”愛読黒人スナイパーがスタイリッシュに彼らを殺戮して行く映画。】
■武士道に傾倒し、“葉隠”を愛読するゴースト・ドック(フォレスト・ウィテカー)は、伝書鳩を唯一の通信手段とし、恩人のマフィアの幹部・ルーイのために働くスナイパー。
ある日、彼はルーイのボス、ヴァ―ゴの娘・ルイーズと関係を持ったフランクを殺害するが、現場にいないはずのルイーズがいる。
が、ゴースト・ドッグは彼女に”羅生門”を渡し、”面白いから読んで”と言って立ち去る。
◆感想
・ジム・ジャームッシュ監督の日本びいきは有名である。
永瀬正敏氏などは「ミステリー・トレイン」と「パターソン」の2作に登場しているし、「ミステリー・トレイン」では日本人カップル(永瀬正敏&工藤夕貴)が重要な役で出演している。
・今作ではゴースト・ドッグは、”葉隠”を愛読しており、彼の行動原理は、この書に則っている。(一部、誤解している所があるが、それは言わずもがなである。)
・面白いのは、鳩を通信手段とし、ビルの屋上で暮らすゴースト・ドッグと、仏蘭西語しか話せないアイスクリーム屋、レイモンと、おしゃまな女の子パーリーンとのやゴースト・ドッグが唯一安寧を感じる関係性や、彼を且つて助けたルーイに対する敬意の念の表現方法であろう。
<ラスト、ボスをゴースト・ドッグに殺されたルーイに向けた銃口。それに対し、弾の入っていないサイレンサーを手にしながら近づいていくゴースト・ドッグの姿。
武士道の解釈は日本人でもムズカシイと言われるが、ジム・ジャームッシュ監督也の解釈を反映させたゴースト・ドッグの生き様と死に様はナカナカな作品である。>
ずっと観ずにいた。
おじいちゃんばっかりのマフィアが良かった。
言葉がわからないのに意味が通じてる会話、シュールなウィテカーのつぶやき。鳩飼ってるのとか、なんかほっこりするのね。なんか素敵。ジムジャームッシュやっぱり好きだな。と思った。
武士道を愛するアフリカ系の殺し屋が、裏切ったマフィアに復讐を挑む物...
武士道を愛するアフリカ系の殺し屋が、裏切ったマフィアに復讐を挑む物語。
異色のクライムアクションです。アフリカ系の殺し屋が恩人からの裏切りにあい、マフィアと抗争にうつります。
ブラックカルチャーと葉隠れのコラボが独特で、不思議な世界観を醸し出し、映画として興味深く感じました。
正直、アクションとしては見応えはなく緊迫感や迫力を感じることもありませんでした。しかし、言葉が通じない少女やアイスクリーム売りとの係りなどを含めて、その世界観を楽しむ映画なんだと思います。
私的評価は普通です。
ヒップホップ♪ラップ
ジム・ジャームッシュがラップだよ♪
ウィテカーを使うなら一択だけど
後半のサックスのインプロ良かった〜
命拾いした男、流儀に固執する男
殺し屋なんて仕事は自分なりの哲学がなくては神経持たない仕事だと思う…
不思議な映画
日本の侍の心情を心に宿す凄腕の殺し屋。雇い主に忠義を尽くす彼はやがてギャングの思惑に巻き込まれていき…。
気になっていた作品がNetflixに来たので鑑賞。ヒップホップの音楽と共に心穏やかに生きる殺し屋の物悲しさと格好よさが楽しめる独特で癖になる映画でした。
__HAGAKURE__
__HAGAKURE__
通行人の一人まで役者だなー。無駄な役は一人もいない。全て監督が計算してる。
ニューヨークのようで、どこか架空の町のような感覚がする。
メガネのじいさんがいきなり、伝書鳩のことを『運動鳩だ!』とデカい声で口を挟むのが可笑しかった。
ボスの娘役が真っ赤なキャミを着てソファに座ってる。正にベティちゃんみたいでキュートだった。
マフィアの年寄りが見てるのは旧い子供向けアニメか新聞紙。
そして、3ヶ月の家賃滞納。家主からは『だらしねーマフィアだな』。
刀の練習のスローモーション。鞘を左の腰につけ、収める。
銃も主人公にとっては刀。
車のカーステレオにCDをいれる時に一回転手をひねる。
マフィアを皆殺しにしにいくが、鳥のさえずりが聞えると銃を望遠鏡代わりにしてバードウォッチングしてしまう。思わず白い歯がこぼれる。
ラスト近くzraとすれ違う。ガンの飛ばし合い。もしかして殺し屋か?と思いきや『ヘイ、ブラザー。ヨオ、ゴースト・ドッグ』。
言葉が通じない親友と大体言い合ってる言葉が重なる。
『何もかも変わっちまった。何が何だかわからねえ。お前も俺ももう旧いんだよな』
サムライが最後に主に殺されるのは武士道の掟。
黒人の読書好きな少女がクール!
クレジットにKUROSAWAの文字が。
【葉隠/ハードボイルド/藪の中】
日本的精神性をベースに、ハードボイルドを組み合わせたユニークな作品だ。
単純だけど面白い。
作品を通して引用される「葉隠」の最も有名なフレーズ
「武士道と云うは死ぬ事と見つけたり」は、
最後まで生きるという選択肢を最も重要としながらも、武士として生き恥をさらさないように死を覚悟することが重要だと説き、更に、「見つけたり」は、その判断のタイミングの妙を示しているのだ。
太平洋戦争で、特攻を肯定するために大本営などが解釈した意味とは違うのだ。
そして、武士道とは家臣の道だ。
この「ゴースト・ドッグ」には、少女が「羅生門」の感想を聞かれた時に、「藪の中」が一番面白かったと答える場面がある。
映画「羅生門」も基本は「藪の中」の物語で構成されているのだが、実は、人によって、一つの物事に対する解釈/見方が異なるという点で、この映画に登場するゴースト・ドッグを含めた主要な人物を否定するのではなく、様々な見方があって良いのだと示唆しているのだ思う。
ジム・ジャームッシュの肯定感だ。
また、殺し屋・ゴースト・ドッグの名前も、アメリカン・インディアンの名前の付け方のようだと表現されるところがあって、アニミズムを背景にした日本文化と通ずるところを、ここにも残したのだと思うし、これはビルとインディアンのノーボディとの交流の旅を描いた「デッドマン」から引き続いだアイディアだったのだろうか。
そして、ゴースト・ドッグの背景が語られないが、ハードボイルドならではのポイントだ。
最近、200巻を超えたゴルゴ13の作者さいとうたかおさんが、最後までゴルゴ13の正体は明かさないとしていたが、これ重要なことだ。
ゴースト・ドックについては、過去に命を救われたということが全てなのだ。
そして、その恩義で生きているのだ。
ジム・ジャームッシュは、単純な身分の「属性」ではなく、これこそが武士道なのではないかと言っているのだ。ネトウヨなんかより日本の精神性を100倍分かっている。
派手なアクションではなく、忍び寄る忍者のような殺しのテクニック、そして、殺られる瞬間に、殺られることを理解させるような演出も良い。 殺られる方にも覚悟が必要なのだ。
鳩を使った超アナログな連絡方法もナイスだし、ゴースト・ドッグが最初に乗るレクサスは、日本では二代目のアリストで、僕もしばらく乗っていました。
だから加点しました。すみません。
マフィアの高齢化!?
≪JIMJARMUSCHRetrospective2021≫
ジャームッシュだからこそ許される、このシュールで破茶滅茶な世界観。
スコセッシの「グッドフェローズ」に出て来るような年老いたギャングが所狭しと息をハァハァ言わせながら暴れ回れないコミカルさ、武士道をテーマに"葉隠"や"羅生門"を引き合いに流れる音楽はHipHopとジャンルをゴチャ混ぜに、フランス語と英語での噛み合わない会話が通ずる和やかさ、ジャン=ピエール・メルヴィルや鈴木清順へのオマージュ、最後の殺し方は「殺しの烙印」まんまと言っても過言ではない、屋上のインディアンは「デッドマン」のノーボディだし、レイモン演じるイザーク・ド・バンコレは「リミッツ・オブ・コントロール」で殺し屋役を。
サムライを意識しながらも刀を振り回す殺陣シーンは皆無、まるで刀を扱うかのような銃の所作、怒りに火が付く理由がマイク・タイソンと同じだったり、斬新で意表を突く呆気ない展開とツッコミ所満載な演出描写、こんなに自由奔放に映画を撮れる監督はジム・ジャームッシュ以外には存在しないと断言!!
ウィテカーの殺し屋
「武士道は死ぬことと見つけたり」と武士道に命を染める男ゴースト・ドッグ。
やくざのフランクが殺された。ルイがやくざのボスに問い詰められる。“ゴースト・ドッグ”?変な名前だな。最近のラッパーにも変な名前が多いぞ。インデアンもな・・・シリアスなカオして無茶苦茶笑える会話。
殺し屋フォレスト・ウィテカーは日本マニア。“すべて熟知”と書かれたTシャツを着ていたり、武士道の書を暗誦したり、屋上では日本刀を振り回す。フランス語しか喋らないアイスクリーム屋が唯一の友達なのに、会話がさっぱり噛み合わない。チェスの相手とアイスクリーム・コーンが二人を繋ぐ。そんなときでも恩人ルイはやくざに狙われ、ゴースト・ドッグは拳銃を日本刀のように振り回して銃撃する。そして、やくざは執拗に鳩のいる屋上に住む黒人を片付けようとしていたのだ。
そのほかにもやくざのボスの娘から借りて、黒人少女バーリーンに貸した「羅生門」など、日本びいきの雰囲気が漂っている。明るい場面ではジャームッシュらしいオフビートしか感じないが、アラン・ドロンの『サムライ』へのオマージュとフィルム・ノワール全体へのオマージュが感じられた。
主人公の独特感が映画を良くしてる。
凄い!正直武士道愛好家が車は盗むはイタリアンマフィアのアホさが半端ないは。なぜか観いってしまった。音楽も良かったし場面のテンポも良かった。お気に入りは言葉が通じないハイチ人との友情がかなり泣ける。
ちょっとアメリカ人の武士道を勘違いしてると思うけどこれがかえってアメリカ感があって良かった。ラップ好きじゃなくても楽しめると思う。
彼の論理を感じること
『葉隠』を生きる殺し屋の物語。その論理が画面に漲っています。彼はゆっくりと歩くし、殺しへ向かう時には車で音楽をかけます。そして静かにその場所へと乗りつけ、その目的だけを見ています。それを表すかのように、ジム・ジャームッシュの撮る画は淀みなく流れ続けている印象です。オーバーラップが多用されているのも、その印象を強めていると思います。
なんといいますか、すごいよ、ジム・ジャームッシュ。
「伝書鳩でしか連絡の取れない黒人のサムライ」というケレン味を、抑えきって描く
武士道に生きる殺し屋、ゴースト・ドッグの話です。
ウィテカーのドヨンと哀愁を帯びた目が印象的(笑)な映画で、ともすれば地味な映画……。
起伏にとんだ筋でもなく、ド派手なアクションがあるわけでもなく、淡々とブシドー・キラーが仕事をしていくだけ。
何が楽しくて見られたのかというと、二時間の尺を埋めつくすクールなシーンの集積でしょう。
随所にはさまる葉隠からの引用、飛翔する鳩のイメージ、日本刀で演武のようなものを見せるゴースト・ドッグに、フランス語しか話せないアイスクリーム屋etc... 細かいところではゴースト・ドッグがCDを挿入するときの手の動きと円盤のひらめきまで!こんな細かいクールさで二時間見させてくれるのだからたいしたもんです。
フランス語しか喋ることのできない「親友」然り、本を仲立ちにしたやりとり然り、台詞の少ない映画の上に、とにかく言外のコミュニケーションが多い笑
ダウン・バイ・ローにも英語のフレーズを集めるイタリア人が出たっけ。
「言葉が違ってもハラで伝わるもんは伝わる。伝わらなきゃそれでもいい」みたいな考えをジャームッシュは持っているのだろうか?
「陸に船を造り上げているスペイン人」の面白さなんか、こんな風に言葉で説明しても伝わらないし白けてしまう。そうした言語化される前の出来事の馬鹿馬鹿しさ、感覚的な親密さが描かれていると思いました。
そうした多言語的な状況が特有の面白さになっていることは確かです!
英語とフランス語の会話とか、見ている側は字幕のおかげで二人が何を話しているか分かるんだけど、当人たち(ゴースト・ドッグとレイモン)は互いの話の内容はサッパリわかっていない。この「狙ってない感」が、わざとらしいボケとツッコミみたいなコメディとは全然違う、肩の力の抜けた面白さを感じさせてくれる。
言わないで済ませる部分の多い映画、ダブル・スペースで書かれた文章の行間を読むような映画なので、唯一解を目指してガッツリ解釈しようとすると疲れてしまうかも。
映画の最初と最後に強く関わってくる本が「羅生門」で、中でも作中で「藪の中」に言及しているというところに、「どんな風にでも見てくれ」という監督のメッセージを見た気がしました笑
P.S.
アクションも派手じゃない、と書きましたが、館の中での、サイレンサーを使った静かな立ち回りシーンはとても良かったですよ!
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