「この時期まで公開されていなかったのが不思議 ※ コメントに対応して一部の表現を修正」シュリ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
この時期まで公開されていなかったのが不思議 ※ コメントに対応して一部の表現を修正
今年344本目(合計1,436本目/今月(2024年9月度)30本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
シネマートさん、あと1か月で閉館なんですね…。
大阪市という最大のコリアタウンを抱える地で、韓国映画を見たいならここ、という場所がなくなるのはさみしいことです。
さて、こちらの作品です。どうも2000年ころにごく一部だけ上映はされたようですが、権利関係で長くその後上映もVODにもならず(実際、VODはどこにも存在しない)、今やっと公開されるという特殊な作品の扱いのようです。一方で韓国国内では映画ができたのは2000年ごろということであり、そのことを念頭に入れておく必要があります(後述)。
韓国映画といえば、韓国史が抱える南北統一問題等がありますが、そのことについて触れた映画でもあり、一方で現在2023~2024年にいわゆる「韓国映画といえば」というスタイルを築き上げたともいえる作品です。一部において歴史認識的として喚起がされている(この点後述)が良かったです。
実際に韓国と北朝鮮の間では非公式としては交流は行われているのでしょうし、韓国・北朝鮮の統一を望む人もいれば望まない人もいることは確かだとしても、みんなが良い方向に向かえばよいな、といったところです。
なお、作内で「50年の分断」といった字幕が出ますが、上記のように作品は2000年ころであり、朝鮮戦争の勃発が1950年である(ただし、この点後述)ことが関係します(今、2024年であれば約75年(70年)というのが正しい)。
採点に関しては、大阪市という最大のコリアタウンに在住している行政書士の資格持ちとして以下が気になったところです。
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(減点0.3/済州島に関する色々の配慮・説明不足)
サッカーシーンにおいても「50年前の分断」といった語が出てきます。
この「50年前の分断」についてふれておきます。
日本が第二次世界大戦に敗れると朝鮮半島は大混乱と化し、今の韓国(民主主義をうたう地域)と北朝鮮(共産主義をうたう地域)とが分断し、また国内(ここでは、今の韓国と北朝鮮を足したエリア)においても対立がありました。そしてそもそも論でいえば、民主主義と共産主義のどちらが上だの下だのといった概念はそもそもありません。
一方、当時、韓国を支配していたアメリカ軍(このことは「ボストン1947」参照のこと)が元のアメリカの施策として民主主義化をうたったため、共産主義的な思想を持つ人が追いやられることになります。これが、済州4.3事件であり、麗水順天事件(10.19)です(いずれも1948年)。この後、この対立が決定的となり朝鮮戦争が勃発します。
韓国では1990年以降、真の民主化が果たされたこの時期になって、およそ40年前の済州島事件や麗水順天事件が見直された経緯があります。
これらの点について説明がないので(映画内に出てくるのは「朝鮮戦争」だけ)、なぜ済州島が最後に映る部分など理解が難しく(済州4.3事件か麗水順天事件(麗順事件)を知っていればわかる)、この点については2000年ごろの映画ではまだ扱いにくかった(過渡期だった)ということはいえましょうが(2022年だったか、真向から取り上げた「スープとイデオロギー」という映画もあります)、何らか配慮があれば、といったところです。
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わざわざ修正いただき申し訳ありませんでした。私もヤン・ヨンヒ監督の「スープとイデオロギー」を観て初めて4.3事件を知り衝撃を受けたものです。韓国映画やドラマを観るからには、一種のトラウマとして今も影響を与え続けていることをどこか心にとどめておこなければと思ってます。
いろいろと間違いがあります。
まず「シュリ」は2000年に日本で公開されました。テアトル系への配給で18億円の配収があったとのことです。とても一部での上映というレベルのものではありません。
権利関係に問題があり長く再上映や配信はありませんでしたが以前からディスク化はされておりレンタル屋に普通においてあります。
それと映画内でサッカーの南北交流試合が行われるのは済州島ではなく、明確にはなっていませんが、おそらくはソウルです。
済州島にあるのはヒロインの妹の入院先です。主人公達が話をするベンチは済州島に実際にあり観光名所になってます。