劇場公開日 2024年9月13日

「観る者の胸を引き裂く、唯一無二の壮絶なアクション・メロドラマ」シュリ image_taroさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0観る者の胸を引き裂く、唯一無二の壮絶なアクション・メロドラマ

2024年9月15日
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泣ける

悲しい

興奮

深く胸に刻まれていた作品だが、随分と長い間観ることができなくなっていた。リマスター版の再公開を機に劇場で観たいと思っていたが…Amazonでの配信開始を知り、我慢できずに自宅のテレビで鑑賞。とうの昔から結末を知っている自分は、始まって10分かそこらでの幸せそうな2人をみているだけで目頭が熱くなってしまった。

最初の劇場公開時から言われていたことだが、この作品には荒削りなところが多々ある。にも関わらず、この作品は実に力強く観る者の胸を揺さぶり引き裂く。何度観ても涙を堪えることができないが、脳裏には同時に、こんな風にセンチメンタルになってはいけないのではないかとの想いが去来する。ストーリーはフィクションでありながら、描かれているのは朝鮮半島の分断による痛みであり、これは紛れもなく現実であることが、ほんの僅かかも知れないが、朝鮮半島の人々の痛みのリアリティが伝わってきたような気がした。この感想は、今日再鑑賞してみても全く変わらない。

最初の公開時には、映画好きを自認していた自分は、アクション映画で完全に韓国に先を越されたとの感想を持ったことを覚えている。しかし、再公開に際しての予告編で、「韓流の原点にして頂点」というキャッチコピーが使われていたのを見て、強烈な違和感を持った。そんな風に何かと比べて進んでいるとか、原点だとか頂点だとか、そもそもそんなことが問題になるような作品ではない。そんなことは全く意味がなく、紛れもなく比較するもののない、唯一無二かつ問答無用の大傑作であることを私は疑わない。再び観ることができるようになったことを、心から喜びたい。

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