「セルピコみたいにはなりたくない。」セルピコ 鯖さんの映画レビュー(感想・評価)
セルピコみたいにはなりたくない。
正義を貫いた孤独の男、と言えば聞こえは良いし、キャッチコピーにもそう書いてありましたが、私にはセルピコは飛んで火に入る夏の虫にしか見えませんでした。
火中に飛び込む虫を英雄の様にみる事は出来ませんし、そもそも英雄談ではない様にも思えます。
社会やいずれかの登場人物に焦点を当てて観させようとしている節はなく、むしろ セルピコ の方にカメラがずっと集中していました。
なので、汚職の話とか正義の話 というよりも、セルピコ の話なのであります。もう題名がセルピコ とつけられるくらいですから。
『老人と海』という小説がありますが、そこに共通する 勲章や名誉にとらわれない 一種の美学を感じる部分はあります。
しかし、セルピコに憧れを持てるか、と言われれば ノー です。正義感が無くても、彼は孤立したと思います。
みんなが当たり前のことを当たり前にやっていれば こうはならなかった、という話です。
同情 するしかありませんでした。
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