「潔い程に救われない」セブン 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
潔い程に救われない
オープニングから目が離せない、エンディングロールで帰る訳にもいかない、作品全体のLookがセンス丸出しに過激な映像描写で推し進める印象が希薄に、ミルズとサマセットの関係性など掘り下げられている人物像やシンプルに伏線回収する演出が素晴らしい。
テンポ良く進む展開に飽きも来ず単に謎解きサスペンスにもならず、撃沈したデビュー作から這い上がったデヴィッド・フィンチャーの全てが炸裂したような、でも先には『ファイト・クラブ』もあるわけで恐ろし過ぎる監督だと再認識させられた!?
ミルズだけが知らない真実を赤の他人が一人は呆気なくもう一人は複雑に、受け入れられない現実を非現実に逃避しながら葛藤するミルズ、何が起きていたのか想像するだけでゾッとしてしまう、地下鉄で揺れる部屋の件で笑う三人に和ませられる一瞬が崩れてしまう関係性がありながら無関係にも絡み合う三人の終盤戦が怒涛にも驚愕する展開に、この歳になって感情が揺さぶられて涙が出てしまった、感動ではなくて。。。
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