「それぞれの病気」セックスと嘘とビデオテープ shinさんの映画レビュー(感想・評価)
それぞれの病気
誰しも人に言えない秘密や欠点があったり、それを隠そうとして嘘を吐いたり、変わっている、と言われたくないから無理して周りに合わせたり。けれど普通の人なんていないし、また悩みを打ち明けたところで理解してもらえるかどうかもわからない。
グレアムの病気を治したい、彼を救いたい、とビデオを彼に向け逆質問をするという荒療治に出たアンだが、グレアムこそが嘘で蔓延る関係を嫌い真実を求めようとする唯一の人なのかもしれない。
大抵の映画にはメッセージが詰まっていて、その伝え方はもちろん監督それぞれなのだが、本作のように人の奥底に潜むある種普遍的な性の問題を、このような切り口で伝えてくる映画は、本当に「斬新」と言うしかない。
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