「資本主義で明確になった階級。欲望を肥大させる上流階級の人々。性、高...」ウイークエンド imymayさんの映画レビュー(感想・評価)
資本主義で明確になった階級。欲望を肥大させる上流階級の人々。性、高...
資本主義で明確になった階級。欲望を肥大させる上流階級の人々。性、高級車(ブランド志向)。
資本主義の成れの果てには、いつも苛立っていて、虚栄心にあふれた人間の姿があった。自分勝手で、効率がよいことばかりを考えている(それが逆に渋滞を引き起こしたり、ケンカが始まったりして全然効率的ではないのだけれど)。
そうすると、すこし立ち止まって考えることを拒むようになり、道中で出会ったアリスを焼き殺してしまう。物語の死。
物語が滅びた後に残ったのは不条理の世界だった(※1)。そのうちに、文明を失い、狩猟と弱肉強食の世界に回帰する。
最後のシーンは、夫の肉が入った料理を超然と食べる女の姿が描かれる。「あとでおかわりするわ」と超然と言い放つ。
人間は文明を失っても、たくましく生きていけるみたいだけれど、わたしは、物語のある世界がいい。「FIN」が表示された後、「物語の終わり」「映画の終わり」と表示された。つくづくこの「ウイークエンド」で描かれた世界がフィクションでよかった、と思うと同時に、世界の物語的なものすべてが、終焉を迎えるという意味じゃないといい、と思ったりもした。
※1 労働階級の人々の思想の独白が印象的。上流階級は物語を殺して、文明を失っていくけれど、労働階級には希望が残されている、ということなのかしら、
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