「最高だ」トゥモロー・ワールド 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
最高だ
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公開当時あまりに傑作で、近未来に限ったSFでは『ブレードランナー』以来であると、もしかして勘違いかもしれないと思い2回見て大傑作であると確信した。ここ30年間のベストテンを決めるに当たって見返したのだが、この映画の舞台が2027年でもう2年後!! 公開から20年近く経っている。
2006年公開当時はまだスマホのない時代であるため、スマホがない未来だ。タブレットはある。指の動きと連動した操作端末がある。まさに今現在の日本は移民が問題化しており、排斥の動きも活発だ。
とにかく面白くて発想が豊かで演出もすごい。アクションシーンはどれも無慈悲で圧倒されるのだけど、特にクライマックスは移民のおじいちゃんやおばあちゃんが暮らしているビルが戦場になる。まるでガザ地区だ。そんな地獄で、赤ん坊の存在に気付いた人々が敵も味方もなくあがめる様子は感動を通り越して崇高だ。オレ自身、赤ん坊とは2回深く接したことがあるので、あの感覚は間違いない。
クライヴ・オーウェンの佇まいの、あの人生に対して苦々しく思っているような感じがすごくいい。森に暮らす友達は奥さんを介護している。好きな古いロックを聴いて自給自足生活をしており気ままなようで相当しんどいはずだ。
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