劇場公開日 2006年11月18日

「この話、四年後なんですよ」トゥモロー・ワールド ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0この話、四年後なんですよ

2024年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

興奮

ヤバイな、でもまだリアルワールドは子供生まれてるから大丈夫ね。

ウィルス?の影響で人類に子供が産まれなくなって18年が経過した世界のお話。
秩序が崩壊しつつある世界の中でも比較的治安が維持できているイギリスに住む主人公のセオは、バツイチで自堕落ライフを満喫しているが、コネだけはちゃんとあって仕事もきちんとある。
国内は治安の維持に必死で、移民を厳しく取り締まっている。

人類の最後の希望と言われていた人類最年少のアルゼンチンの青年が刺殺され、全世界が悲嘆に暮れたその日、彼の元妻ジュリアンが率いる組織の人間に拉致される。彼女は移民政策に異を唱える反乱組織のリーダーで、ある移民のために、国外に脱出するための通行証を都合して欲しいと、コネのあるセオに求める。

なんとか通行証を手に入れたセオだったが、その移民には大きな秘密があった。

舞台設定が大変面白い。先進国各国でどんどん深刻になりつつある少子化問題であったり、またなんとなく仄めかしているウイルスの世界的蔓延、またその生殖機能への影響だったり、近未来の話でありつつも現代で起こっている話がベースと言ってもいい。

最初は及び腰で手伝っていたセオだったが、ジュリアンの死がきっかけで、この大きな秘密を命がけで守ろうとする強い意志を持って行動しているところに共感した。
そりゃそうなるよね、命を懸ける価値がある。

後半の見せ場になる戦闘シーンはほぼ戦争。セオは一般人だからもちろん銃を持ってバンバン殺していくわけではなくひたすら逃げ回るしかできず、それでも命からがら移民を助けて自分も逃げるんだけど、その時周囲もあることに気づき、一斉に戦闘の手が止まる。鳥肌が立った。

エンディングも救いのあるもので、前半のぬるい展開からは予想できないいい映画だったな。
しかし、マイケル・ケイン御大、ここにも出てましたか…。

ハルクマール