サンダーバード : 映画評論・批評
2004年8月2日更新
2004年8月7日より日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー
サンダーバードをレスキューするのは私たち
日本のある世代にとって「サンダーバード」は特別な存在だ。人形劇なのにリアルで凝ったメカ&大人っぽいストーリーは職人芸にヨワい日本人にはたまらなく魅力的だった。
ところが、その実写版は、生身の役者なのにアンリアル、子供っぽいストーリーになっていた! やっぱアメリカ人にはこの職人芸スピリットがわかっていなーい!!
と、最初見たときは怒りまくった。が、2度目。キッズムービーだと心の準備をして見ると、それなりに楽しめるから不思議。「サンダーバード」を知らない子供たち(米国ではほとんど無名状態らしい)に向けて作ったために、主人公は末っ子のアランと、今回初登場のブレインズの息子、そしてティンティン。彼らが5号に閉じ込められた兄たち&パパを救うというキッズムービー王道の作りになっているのだ。まあ、確かにアランの役者はかわいくない。2号を動かすのがフッドというのも気に入らない。国際救助隊が救助されてどうするという不満もある。
が、これが序章。次にはサンダーバードと国際救助隊の活動が待っていると思えば、まずはこの作品にヒットしてもらわなければいけないのだ。つまり「サンダーバード」をレスキューするのは私たちなのである。
(渡辺麻紀)