「あからさまな対立構図の作り方によってリアリティが薄くなっている印象」スミス都へ行く 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
あからさまな対立構図の作り方によってリアリティが薄くなっている印象
『或る夜の出来事』のフランク・キャプラ監督の映画ということで鑑賞。
お上りさんの新任議員スミスが、ワシントンDCの名所を巡りながらアメリカの自由と民主主義の理念に感化されていく様子が、後の信念に基づいた熱い演説につながっていくところが良かった。
また、議会で緊張しながらキャンプ場設立の法案について演説するシーン、そして初めは冷たかった秘書サンダースが、純粋な彼に好感を持つようになり、最大の理解者&支援者になっていく展開も熱い。
しかし観ていて少し冷めるのが、中盤からのキャンプ場建設法案でスミスが私腹を肥やしていると糾弾されるシーン。問題の真偽の追及そっちのけで、腐敗した議員VS純粋なスミス&新聞記者&子供達の対立構図を、あからさまに作っていて、少しリアリティが薄い印象となった。
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