「タイトルからしてイカ臭かったのに、内容もイカ臭かった」イカとクジラ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルからしてイカ臭かったのに、内容もイカ臭かった
両親が共に作家である一家。突然夫婦が離婚することを宣言して、二人の息子は両親の家を行ったり来たりの生活をすることになった。16歳の兄ウォルト(ジェシー・アイゼンバーグ)は父親(ジェフ・ダニエルズ)が好きで、父の小説論の受け売りで読んでもいない小説の評論までしてしまう。この性格はやがてピンク・フロイドの曲をオリジナル曲として発表してしまう小さな事件にまで発展するのですが、アイデンティティの欠落と自然史博物館でのトラウマを克服が映画の重要なテーマとなっていました。
離婚の原因は母親(ローラ・リニー)の浮気と彼女が夫よりも作家としての仕事が増えたことが大きかった。弟フランク(オーウェン・クライン)はそんな母親の素行をものともせず、ナッツを鼻に入れる癖を叱られてもしっかりと彼女になついている。彼の問題は思春期特有の自慰行為であったけど、公共物にソレをにじりつけたりすることだった。
妻の浮気癖と夫の不甲斐なさ。そしてウォルトのガールフレンドや二股をかけようとしていた相手が父親と関係を持つという男女の関係。家族の崩壊を食い止めようとするアットホームな温かさよりも、ぎくしゃくとした中での子供たちの苦悩のほうがよりクローズアップされていました。そんななか、現代的な家族の姿をリアルに描き、映画や小説のネタをふりまいて楽しませてくれました。
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