戦場のピアニストのレビュー・感想・評価
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間接的な残酷描写が秀逸
庶民目線の戦争映画。
軍人はドイツ軍しか出てこない。
戦場だけが戦場ではない近代の戦争実録。
ユダヤ系ポーランド人一家の日常が破壊され絶望へと変わっていく様が実に痛ましい。
すぐに帰宅できる前提での荷造り、英仏の宣戦布告がもたらす光明、移送先での生活に最低限必要なはずの手荷物が残された貨車ターミナル...間接的な残酷描写は的確でパンチが効いている。望みは次第に小さくなりやがて潰えるのであった。ただただ無情である。
終盤、敗色濃厚となったドイツ軍将校の胸に去来するものはなんであったろうか。
ついでに言えば解放者がソ連軍というのも悲惨である。この映画では描かれてはいないが...
圧倒的な現実に負けない映像表現
タイトルなし(ネタバレ)
戦争の凄惨な現実が追い詰められるような感覚で伝わってきてどんどん胸が締め付けられていく。ピアノの調べがあまりに美しくも切なく、特にドイツ兵の前でピアノを弾くシーンには圧倒された。観るべき秀逸な作品だった。
改めて戦争の恐さが解る作品。
おもしろいが、途中、中だるみな印象を受ける
第2次大戦中に迫害されるユダヤ人ピアニストの話。
内容は、特にピアニストという職業とあまり関係なく、逃げ回るユダヤ人の話。迫力ある映像で、ユダヤ人が殺されていく様子を見せている。おもしろいが、途中、中だるみな印象を受ける。もう少しテンポよく展開したほうが良かったのでは。
また、映画は いきなり戦争中から始まるが、日常の風景をもう少し描写したほうが、日常との対比を表現できたように思う。それと、何度もいうようだが、映画の中でフィクションなのか、ノンフィクションなのかを説明したほうがいい。これがフィクションなら、ただの「夢想主義映画」になり、全然おもしろくない。
未熟な点も多い映画だが、監督の今後の成長に期待したい。
いとも容易く
きっかけは、たった一人の思想…
そこに色んな時代のうねりや人の欲望、政治の都合や人種・経済・各国の思惑が重なり、偶然の出会いが向いてはならない方に化学反応して、いとも容易く戦争と虐殺は起きた。
そしてごく普通の人だった多くのドイツ人がSSという化け物や、劇中でシュピルマンを捕らえるように叫んだ女性のように、それをしたら相手の命を奪うことになる言動を正義や責任だと疑いもせず、いとも容易く行なっていた。
このホロコーストという狂気。
数多のホロコースト作品の中でも、貴重な体験談を基にした映画で、昔DVDで観たときの衝撃は凄かった。
当時はホロコーストの知識がなく、ただただ、人の内面に潜む残虐性や戦争の恐ろしさに呆然となった。
その後の経験や、文献・映画などによるホロコースト自体の認識増を経て、今回は映画館にて鑑賞。
圧倒され、吐き気なのか分からない胸の痛み、目を逸らしたくなる数々のシーンに釘付けになった。
レビューには、詳しく知らないままシュピルマンを情けなく思っていたり、ホーゼンフェルトを助かりたいがためにシュピルマンのみを助けた偽善者のように書いていた人もいたが、なんと残念なんだろう。
ホーゼンフェルトは幾人ものポーランド人やユダヤ人を助け、死後は勲章を与えられている。
自伝をそのまま映画にするのは危険だと書いてるバカもいた。歴史を学べ愚か者よ。
この映画を観て、そんな感想しか出ないのが人間の一面なのだ。だから残酷にもなれる。
絶対に繰り返してはならないのだから、経験者の言葉や歴史的に意味のある作品は最早、単なる映画ではなく、今を生きる者として学ぶ教科書なのだと私は言いたい。
一人でも多くの人が、ちゃんとこの映画を理解してくれることを望む。
●ユダヤ人というだけで。
自伝映画ゆえの感動。
概要にもあるとおり、実在の人物の自伝映画なのだが、その時期が戦時であるというのが物悲しい。そして、一人のピアニストが感じるには重すぎる自体の連続に、何度も息を呑まされる。何度も何度も演奏シーンが出てくるが、そのたびに彼は何を思うのか、そう考えざるを得ない。
戦争映画としてみると、これは戦争の悲惨さを個人視点で表している。自伝が基となっただけあってリアルなのだ。そのことを考えながら見れば、この作品の出来は一層高くなる。何もかもが終わった後に奏でられる、最後の演奏は必聴。
脚本やセリフに不備もない、画も音も魅せてくれる、作品としての肝精度が嵩い。監督の手腕、主演の演技力、そして何より、こんな悲惨な人生を過ごしたピアノマンの彼に、この映画を作ってくれた礼を言いたい。
一方的な視線は危険じゃないだろうか?
この映画はフィクションの戦争映画では無く、『自伝的な映画』だと触れ込みで、
かなり危険な映画だと感じたのを覚えています。
これがギャンブル狂やスーパースターの自伝映画ならいざしらずテーマは『戦争』です。
戦争を知らない世代は映像や文献、先代から伝え聞きでしか戦争を思い浮かべることが出来ません。
それを『これは自伝です!だから全て事実です!』という印象を与えるのはかなり危険なんじゃないかと感じたわけです。
例えば戦争でひどい目にあった人物が話を誇張して伝えたら下の世代はそれが真実か嘘か知りようがありません。
しかし、ひどい目にあったという人に対して『おい!その話は本当なのか!?』等と問いただすのは人としてブレーキをかけてしまうでしょう。
何が言いたいかというと、本当に戦争の事を伝えたいのならば被害にあった人物の自伝と侵略軍の前線にいた人物の自伝を照らし合わせながら作るべきだったのでは?
と考えました。
この映画は戦争の描写や狂気を描いてはいるんだと思いますが、全てが真実だと鵜呑みするのは映画の中に描かれているナチス軍と同じ『盲目的に信じてしまう人間』になりかねない危険な映画だと思います。
実在の人物ユダヤ人のピアニスト、シュピルマンの物語と共にロマン・ポ...
運命とは気まぐれで無慈悲
地味やけど良
やっと観られた
実話ならではの重みが有ります。 フィクションであれは、家族のその後...
素朴でしかし安定感のあるストーリー。
ホロコーストを語った名作!
1939年9月1日、ドイツ軍がポーランドに侵攻して第二次世界大戦が始まった。ポーランド人は大量虐殺され、同時にユダヤ人もホロコーストの悲惨な目にあう。映画ではユダヤ人ピアニストの主人公シュピルマンがドイツ軍から逃げながら生き延びる様が描かれている。隠れ家を爆撃されたり、自身も銃撃されたりしながらも屋根裏にひとり隠れて過ごす。けれどもドイツ軍の将校に見つかってしまい、そこでシュピルマンは将校の前でピアノを弾くが・・果して彼の運命は!あらすじは以上だが、これはネタバレか!?関係ないが最近「夜と霧」という本を読んだ。ユダヤ人の当時の苦しみは想像を絶する。映画は2002年の作品だが、昨年戦後70年ということで再び放映されたらしい。主人公の弾くメロディが悲しくも美しく胸を打つ。実話から・・
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